Value for Future(3)

  • わが国のSDGsへの取組

世界各国でSDGsへの取組が積極的に進められていますが、日本においては、2016年5月に内閣総理大臣を本部長、内閣官房長官及び外務大臣を副本部長、他の全ての国務大臣を本部員とする「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」が設置されました。

同年10月には、SDGs推進本部により「SDGs実施指針」が策定され、その序文において「わが国は。SDGs実施における世界のロールモデルとなることを目指し、国内実施、国際協力の両面において、世界を、誰一人取り残されることのない持続可能なものに変革するための取組を進めていくことを目指す」とされました。

また2017年9月には、「ジャパンSDGsアワード」実施要領が発表され、「SDGs達成に資する優れた取組を行っている企業・団体を、SDGs推進本部として選定し表彰する」こととされました。着々と政府の体制作りが進んでいるようです。

(首相官邸ホームページより)

 

  • 自治体での取組

内閣府地方創生推進室では、自治体におけるSDGsの推進は地方創生の実現に資するものであり、その達成に向けた取組を推進することが重要とし、自治体のSDGsに関する先進的な取組を支援することとしています。

そうした中、滋賀県はSDGsへの取組を宣言しています。滋賀県は、近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし」という「三方よし」の精神が生まれた土地です。

2015年、滋賀県は基本構想に「新しい豊かさ」という理念を掲げました。滋賀県に根付く精神や思想を県民が再評価し行動を起こすことで、自分だけではない、今だけではない、モノだけではない、新しい「豊かさ」を皆で作ろうという理念だそうです。

そして2017年、SDGsを一つの物差しにして、具体的な目標を設定していこう、世界と繋がり、未来との関わりの中で「自分たちの今・私たちのいる滋賀」を捉え直そうということになったとのこと。滋賀経済同友会でも、「NEO三方よし」、つまり「三方よし」に「明日によし」を加えた、持続可能な社会の実現のための新たな理念を打ち立てようとしておられるそうです。

(滋賀県ホームページ、内閣府政府広報室Highlighting Japan 2017 より)

 

  • 産業界での取組

経団連では、IoTやAI、ロボットなどの革新技術を最大限活用して人々の暮らしや社会全体を最適化した未来社会、「Society 5.0」のの実現を目指しています。「Society 5.0」とは、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、人類社会発展の歴史における5番目の新しい社会のことです。

この未来社会では、経済成長と健康・医療、農業・食料、環境・気候変動、エネルギー、安全・防災、人やジェンダーの平等などの社会的課題の解決とが両立し、一人ひとりが快適で活力に満ちた生活が実現するとのことです。

こうした未来の創造はSDGsの理念とも軌を一にするものとして、2017年11月、経団連は、「Society 5.0」の実現を通じたSDGsの達成を柱として企業行動憲章を7年ぶりに改定しました。

「持続可能な社会の実現のために」を憲章のサブテーマとし、会員企業に対してSDGsへの積極的対応を呼びかけていくようです。

(日本経済団体連合会ホームページより)

 

次回は、SDGsの内容そのものを見ていきたいと思います。

(2017.12.01 事務局・宮本)