Value for Future(4)

  • 世界の潮流となる「持続可能性」

  • 2017年12月5日の日本経済新聞特集記事で「『環境と開発』両立が潮流に」と題してSDGsとESD投資が紹介されていました。それによると、「世界経済が今後も成長し続けていくにあたり、地球環境の保全や資源の有効活用といった『持続可能性』の視点が欠かせない、というのが世界の潮流となってきた」とあります。国連はSDGsの前に、2000年から「ミレニアム開発目標(MDGs)」を掲げていましたが、同紙の記事によれば「MDGsは途上国の開発・発展に主眼を置いていたのに対して、SDGsは先進国を含む全世界が取り組むべき目標とした点が大きな違い」であり、また「国・政府機関だけでなく、企業や研究機関、NGOの主体的な参加を求めているのも特色」だそうです。同紙の記事では、企業の取組を金融面で支えるESG投資についても解説され、いくつかの企業における具体的な取組事例も紹介されていて参考になります。
  • SDGs~17の目標

  • ここでSDGsの具体的な内容を概観してみましょう。SDGsは、17の目標と169のターゲットから構成されており、どれも、人間(People)、豊かさ(Prosperity)、地球(Planet)、平和(Peace)、パートナーシップ(Partnership)の5要素のいずれか一つ以上に関わりを持っているそうです。以下に17の目標を紹介します。次回は、例として目標2に目を向けてみたいと思います。
  • 目標1 あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
    目標2 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
    目標3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
    目標4 すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
    目標5 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
    目標6 すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
    目標7 すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
    目標8 すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する
    目標9 レジリエントなインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る
    目標10 国内および国家間の不平等を是正する
    目標11 都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする
    目標12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
    目標13 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
    目標14 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
    目標15 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
    目標16 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
    目標17 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
  • (2017.12.08 事務局・宮本)