論文キーワード: ファシリテータ一 2件

第37回VE全国大会(平成16年開催)において、「納得と創造を引き出すVEファシリテーションの技術」と題したVE研究論文を発表した。この中で、VEチームリーダーを育成するステップは納得と創造の連鎖であり、それぞれに特徴のある手法として、会話例とともにVEファシリテーションの技術を紹介した。

本論文では、メンバーに対する「質問」を中心にその効果的な活用方法を整理し、理論的な背景に踏み込んだ考察を試みた。その結果、以下の理解に立った効果的な質問を行うことで、チームの生産性に大きな影響を与えることを認識するに至った。

●質問には、VE活動の局面に応じて、その問いかけ方や表現方法に特徴がある。

●目的達成に必要な論点に議論が集中するよう、質問を構築することが重要である。

●いかに効果的な質問を作り出すかが、VEファシリテーションの要である。

VE技法を効果的に活用し大きな成果を得るために、VEチームリーダーはVE技法の知識と実践能力を磨くに留まらず、VEを分かりやすく伝え、受け手の感情に配慮して生産的なコミュニケーションを行うことを通して、VEチームを目標達成に導く原動力にならなければならない。

一方で昨今、「活動や議論を促進する人」という意味で、ファシリテーターという役割を担う人材が、会議やプロジェクト活動の運営、組織・風土の活性化において活躍する場が増えている。ファシリテーターの役割と、上述したVEチームリーダーに求められる役割やスキルとは類似した点が多いと考えたため、本論文では「VEファシリテーション」という新しい呼称を用いて提案する。

VEファシリテーションの技術を通して、VEチームリーダーがチームメンバーに与える効果という側面から考えたとき、VE実施手順の3つの基本ステップは、納得性を高める段階と創造性を発揮する段階に分けられ、それぞれにおいて特徴的なVEファシリテーションの技術があると考えた。そこで本論文では、VEチームに初めて参加するメンバーが、やがて自立してVE活動ができる能力を身に付けていく過程を通して、その場面場面に応じた具体的なVEファシリテーションを、「納得」と「創造」を引き出す技術として整理した。また、VEファシリテーションにおいて、VEチームリーダーのチームメンバーに対する姿勢やコミュニケーション技術が重要であることから、対話例も多く挿入した。