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外観品VEの進め方 ~貴重価値の数量化について~
ある人がステレオを買った。この単純と思える行動の中には,実はその人の買うという欲求心が,複雑なコンピューターのごとく動めいて,最終的意思決定がなされている。この欲求心の中でも,外観品について焦点を絞るならば,外観品を選択する動機は大きくいってその人が持つVision,Utility,Economyと考えられる。この中で非数量的なVisionは,流行,合理性,快適性や時代性,そして個人,年令,性別, -
適正購入価格のステップリスト
従来,VE手法の企業内導入については,いくつかの議論がなされてきた。日く,トップの支持と理解を得ること,VEは体験しないと身につかない,VE提案は採用のための説得も充分考慮せねばならないこと。等々である。かって,ローレンス・D・マイルズは,その著書の中で「失墜の危険排除」についての見解を次のように記述している。すなわち「意志決定に必要な環境」の章で,「新しく価値のもっとよくなるものをつくりだすため -
VEアプローチによる協力工場の体質改善
産業構造の変化(技術革新,人件費の上昇,そして労働力不足)は,中小企業にとって何を意味するのであろうか。それは今日の時代がイノベーションの時代と言われているように,中小企業にとっても,企業体質の革新を意味しているのである。しかしながら,いまだ旧態依然の体質から抜けきれず,上記の問題に面して,対応策を見い出せず戸惑っている企業が意外に多く存在しているのではないだろうか。この論文において,ある中小企業 -
合宿研修方式によるVI・WSSの実際
人間はどうあるべきか。企業はどうあるべきか,を歴史的な事実としてとらえ,環境を知り,自社の長所短所を客観的に評価し,急所と思われる難問を摘出してそれをシステム的に,生態学的に,インターデシプリナリ的に解決するような,ユニークな教育訓練であることが望ましいのである。しかも啓蒙的教育により一人一人のヤル気,働き甲斐,生き甲斐を高場するものでなければならない。この高邁なビジョンを達成するため,行動科学を -
VEによる商品企画の展開 ~価値ある商品を生むVE~
VEは当初セカンドルックのVEより始まり,現在ではファーストルックのVEが当然のこととして行なわれている。しかし,いくらファーストルックのVEを行っているとは言え,その進め方によっては効果において著しく大きな差を生ずるのは当然である。と言うのはファーストルックのVEには,設計段階のVEと企画段階のVEの2つがあるからである。設計段階のVEとは,すでに企画決定された商品の機能,品質,外観等を維持しな -
設計者とコスト意識の再発見について
設計者の中には,VEと言う言葉を聞いただけで,拒絶反応を示す人が多くないだろうか……。古くから言われていることであるが,設計者は,非常に繊細な注意と,高度な知識をもって独創的な設計をするが,一方,非常に封建的であり,かつ,自己陶酔型が多いと言われている。すなわち,自ら設計したものは,全て最善であると過信しているが,案外コスト意識には,無頓着ではないだろうか。このため,細かなところまでは注意を払うが -
デザインガイド体系化によるコスト分析
一般によくいわれているように,製品コストは設計仕様の段階で,ほぼ80%は決まってしまうといわれている。製品設計において,材料の仕様,製法,精度などが指定されれば,それ以後の調達,あるいは生産などの段階における,原価引下げも設計仕様に制約を受け,大きな期待ができないのが,一般的である。そこで,設計者は製品のもっている機能を充分に分析し,その達成方法の最適化を狙う必要がある。その結果,設計の良否は,製 -
建設業におけるVEの適用の実際(第1報) ~個別受註産業におけるVE効率について~
建設業への,VE手法の導入についての問題点,およびその具体的な手法については,筆者らによって既に発表したところであるが,今回は,その後の建設業におけるVEの実践を通じて得られた新らたな問題点,およびその解決のために考えられた手法,具体的なアプローチの例について発表する。この論文はその第一報として,個別受註産業のなやみの一つであるVEの繰返し効果がないこと,そのために,VEは最大の努力を傾注して,最 -
建設業におけるVEの適用の実際(第2報) ~3時間でできるVE手法の開発について~
産業界でのVEの適応性は非常に高く,幅広く普及してきつつある。厳しい経済事情の中で建設業界においても,業者側の立場として利益を求めることは必然であり,より高い利益を得ようとする努力の中でVEがこれを満足する1つの手法としてクローズアップしたことは,大きな発見であった。営利会社として企業利益をあげるためには,少人数のVErで,しかも短時間に問題解決をすることが要求され,VE効率を高めることが最大の関 -
建設業におけるVEの適用の実際(第3報) ~建設現場の特性に適したVEの進め方について~
建設業へのVE手法の導入についての問題点およびその実施例については,既に発表したところであり,さらに建設業の現状に適したVEの考え方,およびVE手法も開発し実用化していることは既述のとおりである。しかし,建設業の体質の特異性のため,実際にVEを現場に適用して企業に利益をもたらすためには,VEを現場向きに消化して,建設業に適したVEの考え方,VEの手法を考えていかなければならない。この論文では我々が
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