論文キーワード: 企画段階 1件

製品企画、開発では、機能(名詞と動詞で表現する働き)と機能の制約条件(その達成水準と制約)を決めることが重要である。しかし、VE技法における品質概念が不明瞭なため品質設定がおろそかになる傾向がある。一方、品質検討を補うためQFD(品質機能展開)技法が活用されることもあるが、逆にこの技法は、機能を定義する手順が明確にされず機能の達成水準のみを追求する嫌いがある。さらに、現状は、機能からの製品検討をVE活動、達成水準からの製品検討を品質活動と活動を2極化する傾向があり、製品開発上の統一性を欠く大きな問題もある。この状況を解決するには、VEにおける「品質とは何か?」を機能定義技法の原点に立ち考察し、明確にすると共に機能と品質を一貫して追求する技法が必要と考える。本論文は、機能の制約条件を簡単明瞭に設定する強化策として機能に対する品質を明確にした品質的なアプローチを取り入れた技法を提案する。具体的には、顧客、使用者の要求事項をインプットに基本機能とその目的別達成度を設定し、新機能系統図表法を用いながら機能的かつ品質的に魅力ある製品企画を決めていく。本論文は、機能と品質を一貫して検討する足がかりとして機能定義の範囲に言及して述べるが、製品企画立案時においても十分使用可能で貢献できるものと考える。