原価企画支援力の評価方法とその活用
コスト競争力の強い新製品をつくるためには、「原価企画活動を主体的に進める開発設計者だけでなく、この活動を支援し、開発設計者と共同推進する部門とり わけ原価企画を行う部門の強化が必要である。その役割は、対象製品に関連するメンバーを選定し、目標原価達成に向けた方向性を示し、確実に目標原価達成に 導くことである。すなわち、この部門が原価企画を効果的に支援し共同推進できる力(以下、原価企画支援力、略して原企支援力と呼ぶ)を持ち、個々の原価企 画対象製品に対して原企支援力が十分に発揮され目標原価達成に向けて効果的に活動ができていることが最も良い姿である。そこで本論文では、次の2点につい て述べる。第一は、原企支援力の評価基準を作成し、現在どの程度の支援力があるのかを把握する方法である。具体的には、原企支援力に対して評価対象を決 め、そこから評価項目を決定していき、評価方法を確立し、それに従って基準を作成する。そして、その基準に基づき評価指標(以下、原企力指標と呼ぶ)を作 成することである。第二は、原企力指標の向上施策を立案し実行することにより、個々の原価企画活動を高度のレベルで実施できるようにすることである。この 指標を自動車部品業界の原価企画活動に活用してその有効性を述べる。