論文キーワード: 機能分析 4件

顧客価値とは、消費者である我々自身が、商品やサービスを手にし、使用する時感じる満足感であり、身近なものである。しかしながら、一つひとつの商品やサービスにおいて、送り手側から、顧客の価値感の全体像を描き出そうとすることは、常に困難を伴うものである。

なぜならば、顧客価値とは顧客が感じるものであり、顧客の立場に立って見た使用場面への理解というものが欠かせない。また同時に、顧客のその満足感を顧客が感じ取れるように、どう実現するのか、送り手の創造性も同時に求められているからである。

本論では、商品の企画段階では必ず志向されるであろう顧客の価値感の全体像を、VEにおける機能分析手法の中に、一定の枠組みを設けて描きだせるようにした。顧客価値に迫りやすくすることで、機能分析の活用に、より多くの送り手の参加を願うものである。

当社ではVEリーダー認定試験合格者などを対象に、建設VEの理解を深めるために、Off-JT教育として社内で建設セミナーを筆者が講師として開催している。このセミナーにおいて建設VEについての、いろいろな問題が提起される。例えば、機能系統図からの機能本位のアイデア発想がVE改善とは言いがたい場面が見受けられる。このことから、受講者にVEで最も重要とされている、機能分析について理解されないことがある。これらが障害となり「教育の執りかかり」で受講者がVEに対する関心をなくしてしまう恐れがあることもある。このため、本論文では機能系統図を建設VEセミナーで、どう生かすかの検証を行った。その結果、VEテーマの問題点を検討、整理することによって、施工者側と顧客側からの観点を変えた、二種類の機能系統図を作成することにより、効果的なVE改善の提案をすることが可能となった。これにより、受講者にとって機能系統図作成の意義を理解することができ、分りやすい建設セミナーになると思われる。

新製品開発は企業にとっての生命線であり、良い製品を安くタイミングよく市場に投入し、常に顧客要求に応える努力をしなければならない。そこで本論文では、VEをベースにした効率的な新製品開発プロセスを設計することによって、顧客満足の高い新製品を極めて高い確率で実現していく方法を提案するものである。具体的には、まずVEの問題解決プロセスを開発設計業務の標準プロセスとして昇華させ、プロジェクト方式で製品開発を行いながらデザイン・レビューも有効に取入れてコンカレント・エンジニアリングの効果を引出す。

そして本論文で提案する機能分析等に関わる応用テクニックも製品開発の標準ツールとして装備することによって、ムリ・ムラ・ムダのないいわゆるリーン・エンジニアリング(一貫性のある新製品開発体制)を構築しようという試みである。

近年、当社の作業所における「VE計画会議」は、VE計画のためだけでなく、VE実施のための会議としても位置付けられるようになってきた。即ち、会議の内容が、VEテーマの摘出にとどまらず、多くのアイデア発想やアイデアの具体化を含むものに変化してきている。本論文は、当支店の「VE計画会議」において機能分析がどのように展開されているかを検証・分析し、それを踏まえて「新しいVE計画会議」を提案するものである。