論文キーワード: 機能的研究法 2件

収益が見込めるコストで、市場にタイミングよく、安定した品質のソフトウェアを提供するには、安定した開発プロセスの確立と、継続的なプロセスの改 善が欠かせない。その改善のアプローチとして、ソフトウェア業界のなかで広く導入されてきたのが、CMM/CMMIに代表される「能力成熟度モデル」を ベースとした改善アプローチである。

能力熟成度モデルをベースとした改善アプローチは、成功したプロジェクトが備えるプロセスをモデル化し、モデルとのギャップを埋めることで、プロセスの改善を図ろうとする方法である。この方法は広く受け入れられ、効果を上げてきた。

しかし、この能力成熟度モデルによるアプローチは、「コストと時間がかかりすぎる」「現場の主体的な取り組みになりにくい」「手段の目的化」などの課題が挙げられている。

そこで本論では、プロセス改善に機能的研究法を持ち込み、機能の視点に立ったプロセス改善のアプローチと技法について提案するものである。

100年に一度と言われる世界的な大不況が企業の業績を大幅に悪化させている。各企業は生き残りをかけて企業体質を強化し業績を向上させて、この激変する外部環境に対応しなければならない。このような外部環境激変の環境下にあって、企業が業績の向上を図るためには企業内の諸活動を活性化させなくてはならない。また、この諸活動の成果を的確に測定し評価することが大変重要な課題となっている。

バランス・スコアカード(以下、BSCという)は、財務、顧客、業務プロセスおよび学習と成長の4つの視点から組織の戦略目標とこれを実現するための具体的なアクションを識別して構築できる経営ツールとして活用されている。

しかし、BSC活用面の課題として、「単なる業績評価指標の寄せ集めでしかない」や「業績評価指標の設定が容易でない」などの項目が挙げられている。

そこで本論文は、機能的研究法をBSCにおける業績評価指標の設定に活用する方法を提案するものである。