論文キーワード: 製造のVE 2件

製造業においては、開発期間の短縮のために、営業・品質保証部門や調達先などを含めたコンカレントエンジニアリング等を取り入れている。さらに開発期間を短縮するための対応策の一手法として、機能を元にしたアイデア発想に、製造技術者と設計者が、製造技術注1)・技能を理解・共有・融合注2)し、製造VEの視点からのアイデア発想注3)を加えて、価値の高いアイデアに具体化していくことが考えられる。このことにより、設計の手戻りが少ないだけでなく、製造法の検討と開発が同時に進行できるため開発期間が短縮できる。
本論文では、製造を理解するための「5つのフレーム」と、製造技術を織り込むために、これまでの製造VEのアイデアを調査・分析して、アイデア発想の視点を抽出して整理した「69項目のチェックリスト」を活用することで、機能を元に発想したアイデアを、短時間で、技術性・経済性の高いアイデアの具体化に活かすことができる手法について、提案する。

VEの成果拡大を図るため、今まではあまり目を向けていなかった単体部品(構成部品を持たない単一材料や単機能部品)についてもVEを実施していかなければならない。単体部品は製品のVEの適用が難しく成果も出しにくいので、製造のVEを適用しているが、VEの活動メンバーからは手軽に使えて、より成果のあがる新VE手法が望まれている。

現在行っている製造のVEでは製品改善も考慮するようにはしているが、手法として活動の進め方が製造工程を中心にした進め方となっているため、製品の機能に対する意識が薄くなりがちで製品の改善力に欠けるといった問題点がある。

このような問題点を解決するため、誰にでも使えて成果が得られ、実戦向きで、しかも従来と同様な時間で活動できる製品・製造混成型VE手法を開発したので、これについて述べる。