個別組織対応型VA推進管理目標の設定方法の提案
企業の経営環境の変化が激しい今日においては、極端な社員の流入、流出が有り得る。企業内でVAを導入し、それを展開して、適用分野の拡大を図り、その企業独自のVA管理システムが一時期完成したとしても、これのメンテナンスを怠ると短期間にVAポテンシャルのレベルを引き下げてしまう場合が多く見られる。VAのポテンシャルを維持、向上させていくためには、導入期と変わらないほどの、ときにはそれ以上のVA普及の工夫と努力が必要である。
VA活動の推進管理方法として、従来、節約額などの目に見える成果を推進管理の指標として管理してきたが、それ以外に、企業内のVA推進部門は常に組織のVAポテンシャルに視点を置いて実態を把握することが大切である。なぜなら、VA活動の陳腐化は、「VAポテンシャル」と「VA推進管理目標」とが整合していないことが原因で起こることが多いからである。そこで、VAポテンシャルが毎年変化し、又同時に各個別組織でそのレベルが一様でない場合において、この二つの要素の不整合によるVA活動の陳腐化を最小限にするために有効なVA推進管理目標の設定方法を提示する。
尚、本論文でいうVAポテンシャルとは、組織全体のVA活動の潜在能力をさす。