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購買局面におけるVE活動の新展開
購買局面におけるVE活動の新展開
三菱電機(株)長崎製作所 VEセンター:西川陽
三菱電機(株)長崎製作所 VEセンター:中村隆保
オイルショックが,日本経済に大きな変質をもたらせてから,早や2年半余,経過した。この2年半余の日本及び世界経済環境の激動の流れは,高度成長時代から低成長時代への経営転換を迫り,企業経営について体質改善を余儀なくしてきた。体質改善の具体策は,高度成長時代の感覚を超えた諸策が求められ,その対応策の一環として,内部努力により利益改善の達成-コストダウン-が,企業の安定軌道を着実に確立するものとして,重要視される。
その最適有効手段として,VE活動の一層の充実展開が,各企業に進められている。企業内部各層へ浸透・定着を通じ,適用局面の拡大を進めながら,企業経営のマインドに押し進めてゆく展開過程は,幾多の企業に,その実例をみることができる。それゆえに,VEの威力に,企業が注目するところであろう。
一方,現時点の資材調達環境は,石油パニック・物価狂乱の一時期を経て,資材の新価格体系への移行が進んでいる。生産工場における購買部門の調達活動は,コストダウンの最前線部門として,質的充実・価値の追求を強く要請される。
この難局のなかで,購買部門として,個品のVE活動を積み重ねて,購買管理体系にVEマインドを組み入れ,低成長時の購買部門の利益創出機能の徹底追求と確立をはかり,併せて企業内VE活動の活性化を進めることは,企業体質改善の効果あるアプローチであろう。
本論文は,購買局面におけるVE活動の新展開を進めて,原低成果をあげてきた当所の展開過程を紹介しながら,その重要性・波及効果をまとめたものである。