VE推進マネジメントに関する13章

論文

わが国にVEが導入されてから,はや20数年が経過した。当初,VEは,経営レベルによって導入されたこともあり,マネジメント・レベルでのVEに対する関心は,非常に強いものがあった。

その後,年月を経るに従って,技法の実践的側面だけが急速に進歩し,実践技法とVEマネジメントとの間の距離は,次第にひろがって行った。

製品をただひたすらに製造するだけで,大きな利益を得ることができた高度成長期には,技法独走型のVE活動から得られる成果だけで,企業は十分満足することができた。しかし,安定成長期に入り,環境が変ると,このようなVEだけでは,企業が必要とするVE成果の達成は困難になってきた。

ここで再び,企業経営に結びついたVE活動の必要性が浮かび上がり,「経営に密着したVEの展開」('85年大会スローガン)すなわち,VE推進マネジメントを模索する時代へと突入した。企業会計とVE成果額との結びつきをテーマにした研究会が発足したのも,この流れを示す1つの事例である。

本大会のスローガンである「VEによる経営効率化への挑戦」もこの流れを示すものである。

本論文は,このような背景から,企業経営とVEをどのようにして結びつけるかをテーマとして取り上げ,その基本的な考え方をまとめたものである。

目次

  • はじめに
  • 第0章
  • 第1節 原点0からの出発
  • 第2節 0 Look VEの重要性
  • 第1章
  • 第1節 VEは変化に対応するための管理技術の1つ
  • 第2節 VEは企業経営を支える管理システムの1つ
  • 第2章
  • 第1節 製造業の企業経営を支える2本の柱
  • 第2節 VEは機能とコストの2つの側面からの追求
  • 第3章
  • 第1節 VE 3つの認識レベル
  • 第2節 管理技術 3つの基本プロセス
  • 第4章
  • 第1節 VE中長期計画の必要性 4つの理由
  • 第2節 VEの進め方 4つの特徴
  • 第5章
  • 第1節 VEを成功に導く5つの条件
  • 第2節 VEにおけるチーム活動 5つの効用
  • 第6章
  • 第1節 VEのアイデアを生み出す6つの脳力
  • 第2節 チーム活動に必要な創造的人間像6つの性質
  • 第7章
  • 第1節 VE 7つの基本ステップ
  • 第2節 VE 7つの大罪
  • 第8章
  • 第1節 VE推進マネジメント 8つの手順
  • 第2節 VEを阻害する8つの関
  • 第9章
  • 第1節 顧客を指向する9つの機能
  • 第2節 VE推進に必要な9つの関連技法
  • 第10章
  • 第1節 VE成熱製品をVEするための10のポイント
  • 第11章
  • 第1節 繰返しVEにおいて発掘される11項目のアイテム
  • 第12章
  • 第1節 拡大する新分野のVE 12の技法例
  • 第13章
  • 第1節 マイルズの13のテクニック
  • むすび

発行年

1986年 VE研究論文集 Vol.17

著者

株式会社東芝
本社 資材部 VA推進担当部
小川政夫

カテゴリー

  • マネジメントとVE

キーワード

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