当所で開発を行っている人工衛星は、生産数量による改善効果が少なく、所内にVE 活動が普及していないこともあり、これまでVE を適用した活動をしてこなかった。本論文は、VE 活動の普及を目的として、人工衛星の１アイテムであるヒートパイプにVE を実践し、以後継続的にVE 活動を行える様に、VE 活動にかかる時間を短縮させるツールとして、工程表と機能系統図と問題点反転機能系統図を組み合わせ、常に標準化等の検討が行えるようにした事例の報告である。
★キーワード
個別生産品のVE 活動、工程表、機能系統図、問題点反転機能系統図、標準化

1. はじめに
2. 活動開始の経緯
3. 対象テーマの機能
   3.1 ヒートパイプ概要
   3.2 ヒートパイプの動作原理
   3.3 ヒートパイプの構成部品と製造工程
   3.4 ヒートパイプの機能定義
4. コスト分析
5. 個別生産品のVE 活動
   5.1 工程表と機能系統図
   5.2 問題点反転機能系統図
   5.3 機能系統図と工程表とコストと問題点反転機能系統図
   5.4 総コストの見積もりシート
   5.5 標準化
   5.6 改善活動の継続
6. 効果
7. 今後の展開