VE活動と経営情報総合管理システム

論文

低成長時代のコンシューマーの眼は,高度成長時代には想像もつかなかった程,厳しくなり,それはあたかも,VE技術者の眼のごとき様相を呈してきた。消費者団体の各方面での活動は,それらを代表するものであり,適正価格の追求,信頼性表示の要求,そして「約束された機能」の判定等,企業に対する要求は,激動する経済環境を反映してか,かなり多様なものになってきている。そうした市場環境に対応すベく,企業のVE技術者に対する要求も,少なからず変化してきたようである。激化の一途を辿る企業競争の中にあって,経営者の思考も,トータルコストの見直しへと移行してきているようであり,営業第一線から製造部門まで,その問題は多岐にわたっている。そして,それらの各方面へのVE担当者のアプローチ,アクションが期待されてきているのである。しかし,複雑多岐にわたる問題が,有機的に結びついており,それらを一元化されたデーターベースに表わすということは,甚だ容易ではなく,VEは,もはや個人,グループの技術ではなく,企業体としてのテクニックになりつつあるということである。そこで今回,トータルコストに影響する因子を,如何にして適確に把握し,かつ,それを如何に効率よく商品原価計算システムにフィードバックするかということを検討してみた。

目次

  • 1. はじめに
  • 2. VE活動とその管理体系
  • 3. EDPによるVE成果の把握
  • (1) システムの概要
  • (2) インプットデーターとその考え方
  • (3) アウトプットデーターとその説明
  • 4. データーの活用と効果
  • 5. システムによる成果
  • 6. おわりに

発行年

1977年 VE研究論文集 Vol.8

著者

日本ビクター株式会社
特機事業部技術部
宮林力

カテゴリー

  • マネジメントとVE

キーワード

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