VE管理技法 こうすればVEは完遂できる

論文

昭和35年,米国から日本に上陸したVEは,近年多くの企業で導入し,その実効果は周知の認めるところである。なお,開発された技法・手法も多く,VE論文として全国に公表・発表されているものだけでも,200編を数えようとしている。

欲しければ,直ぐにでも手の届くところに参考書がいくつもありながら,なかなか思うようにVEを実行できず,実施したとしても,単なる形式的動作に終ってしまい,VEによる真の効果創出にまで至っていないところが,未だに数少なくはないと思われる。企業間競争は熾烈度を増し,性能面,納期面,信頼性面等,各企業とも,殆ど,その格差はなくなりつつある。そこで顧客,メーカーの双方に利益をもたらすため,できる限り価値を向上させ,できる限り安く作りあげることを,必須の条件と考えなければならないし,かかる観点から,VEの実施は避けて通れない関所と認識しなければならない。利益の下降,目標原価の未達成,あるいは新製品開発および製品転換の遅延等,その原因は「成せば成る」ことを知りながら「実行しなかった」までのことである。またその源流をとさかのぼると,ただ単なる「忙しいから」,「他人どころではない」といったものであり,「上から指示された仕事が先だから」式の「錦の御旗」として,まかり通っていたのでは,企業のじり貧は当然といえよう。企業の目的は「ますます発展と社会に貢献する」ことにあるから,やはりVEは,何が何でも強い意志でやり通さなくてはならないのである。

日常業務に追われる時こそ,問題点を発見しやすいし,その時期こそVE実施の絶好の機会なのである。よって本技法は,あえて多忙時のVE実施に焦点を合わせ,記述するものである。

目次

  • 1. 技法開発の背景
  • 2. 何故うまくいかないか
  • 3. 管理の三角バランス
  • 4. さて,どうしたらよいか
  • 5. 何が一番重要な仕事なのか
  • 6. 他部門のあと押し
  • 7. まずVEをやってみよう
  • 8. VEはとっつきにくいといわれているが
  • 9. まとめ

発行年

1984年 VE研究論文集 Vol.15

著者

日立エンジニアリング株式会社
企画室
坊坂明

カテゴリー

  • VE導入と定着化

キーワード

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