論文キーワード: コストモデル式 2件

機器の購入価格の実績データ数が少ないので、購入品の価格見積りに統計的手法が使いにくい場合に、制約付回帰分析の技法を活用することにより、購入価格の予測モデル式を設定することができる。これを使用することにより、限られた実績から新規案件の機器の購入品の価格見積を簡便・迅速に一定の正確さのもとで行うことができる。

本研究はプラントの構成機器を対象として、まず、購入品の価格予測モデル式を作成するものである。次いで、購入品の価格予測モデル式の各項のウエイトは、各設計特性値が購入品の価格にどれくらい影響があるかを示しているので、各設計特性値を変化させることにより、購入品の価格変動についてのシミュレーションを行うことができる。最後に、設計者が企画・設計段階において設計特性値を適切に組み合せることで、コストミニマムとなる仕様の選択を行うツールとしても広く活用ができる。

さらに、代表的なプラントの高額な機器を対象に機能分析を実施し、機能分野ごとの「機能評価値とコスト」との関係を把握し、価値改善の対象分野と改善目標値を明らかにした。

設計案を評価するには通常コストテーブルが活用される。コストテーブルの一形態としてコストモデル式を採用する企業が多くなってきた。多くのコストモデル式は統計的手法を用いて作成されているので、それに見合うデータ数が必要不可欠である。しかし、現実には数多くのデータが入手できないことが多く、このときはこの手法は採用できない。

われわれが開発した重み付け分析や制約付回帰分析と称する技法によるとこの制限を解消でき、きわめて少数のデータしか入手できない場合でも、理論的に妥当なコストモデル式を作成できるし、これを活用することができる。本研究はこのような方法の概要を述べ、その活用方法について新しい提案をするものである。