論文キーワード: 価値の向上 2件

企業も製品も進化していかなければ生き残れない。製品進化はターゲットとした顧客の満足を継続して向上させることによってなされる。この満足を向上させるには継続的・断続的価値向上と、その製品の差別化・個性化が不可欠となる。この結果が製品進化となるのである。本論文はこれら2つの要素を効果的に実現するため以下の展開をするものである。
まず第一に、機能定義の対象拡大(上位拡大と並位拡大)を図る。ここでは、VE対象(製品など)の果たすべき機能とその目的となる機能(使用目的など)を明確にし、さらに、VE対象(製品など)の機能発揮に密接に関わる「人」や「もの」が果たしている機能も明確にする。次に、これらに基づいて全体最適の思考の下に、これら三者の間の機能分担を合理的・合目的的に行うのである。この経過を経て、使用目的などを確定し、「人」や「もの」が果たしている機能をVE対象(製品など)に採り込むなどしてターゲットとした顧客に対するその製品の価値向上や差別化を図るのである。

製品は、その製品に作り込まれた機能がその目的を果たすが、当社の保守サービスという商品は,そこに働く人がその目的(目標)とする機能を果たしていくことに特徴がある。この所期の目標を達成していくには、各職場の人が目標を認識し、働きによって成果をあげていかねばならない。

目標達成に必要な機能は、動機づけをする機能、運用を図る機能、評価をする機能および支援をする機能の4つを具体的に伝え、行動する機能である。これら4つの機能を幹部、VE推進センターおよび各職場が実践した結果、定量的成果として目標値を達成し、定性的成果として経営効率の向上を目指す礎となる新しい企業文化、風土を築くことができる。