論文キーワード: Job plan 3件

近年、製品機能の高度化、複雑化により、新規開発や設計変更により生じる品質面での リスクは益々増加している。このリスクを避けるため、創造による変更を行うVEに対し て、消極的になることが製造業の開発現場でも見受けられる。このような傾向は、企業だ けでなく社会全体の成長を停滞させる大きな問題になる。 そこで、本論文では、製品の新規開発や設計変更によるリスクを管理し、品質を確保す るため、VE実施手順にリスクマネジメント手法注1)を活用することを提唱する。この中で、 反転リスク分析系統図を作成する手法を確立する。 この手法により、VE実践の中で、機能本位の視点から、製品全体のリスクを特定・分 析し、具体的な対応を検討することで、新規開発や設計変更によるリスクを漏れなく管理 することができ、品質をより効果的に確保することができることを示した。

VEの実務において、従来よりもVE活動の時間は減少しているにもかかわらず以前より良いアイデアの発想を要求され、また、VE資格は取得したものの実務に活用できない者が少なくないという現象が見られる。こうした現象から、現在のVE活動が必要としているものとして、VE実務の短縮化と新たなアイデア発想技法の開発およびVE技法の簡素化等が考えられる。この問題を解決するために、本論文ではVEとは別の方法論であるTRIZをVEの中に組み入れ、両手法の長所を生かした新たな手法を提案し現状打開の一助としたい。

本論文は、従来のVEにおいて効果的な解決が難しい部分にTRIZの概念を導入し、VEが次世代を目指した新しい手法として位置付けられるように模索したものである。

業務用機器のライフサイクルが短くなる中、目標の品質・コストを短期間で効率よく、達成することが望まれ、企業浮沈のカギを握っている。

機器開発における問題点は、設計者の主観的なところで進められているところが多く、結果としてコスト目標は達成できず、またトラブルも多い。

そこで、システム設計をVE手法で、システムの最適化を信頼性向上アプローチで行い、設計意図を忠実に機能・機構に反映することにより、目標のQ・C・Dを達成する方法を考えたい。