論文キーワード: VEの教育システム 3件

本研究では第50回VE全国大会(平成29年開催)で提案した10の対極発明原理を改良し、TRIZを活用した対極類比アプローチによる創造手法の適用範囲を、技術的課題の解決から社会的課題の解決に拡大した。改良した創造手法を製造企業における人材教育の企画立案に適用し、より価値の高い教育プログラムのアイデアを得た。
そのアイデアは、従来、VEを学ぶ機会のなかった技能系新入社員がIE、QC、VEの三つの管理技術の基礎を学ぶというものである。この革新的なアイデアを具体化するために、これまで別科目であったIE、QC、VEの入門教育を一つに統合した教育プログラムを創設し、企業内の教育施策に導入した。

コスト最適な設計を行うためには、ものづくりとコストに精通した技術者が必要である 。しかし、自動車部品業界においては、近年の開発期間の短縮や、電動化 、衝突回避システムなどの先進安全装備の装着拡大に伴って 、機電一体製品(注1)が増えてきたことにより、技術者に求められるコスト最適設計力が変わってきた。 そこで本論文では、この問題を解決するため、次の3点について述べる。第一は、現在の環境変化に合わせた技術者のコスト最適設計力を得る育成方法の開発である。具体的には、コスト最適設計力を構成する能力要素を顕在化し、その能力を得るための育成カリキュラムを開発する。第二は、顕在化した能力の能力到達度指標の開発である。能力到達度を定義することで、技術者のコスト最適設計力を得る育成の促進を図る。第三は、この育成カリキュラムを自動車部品業界の技術者に適用して、その有効性を述べる。

企業が永続的に発展するためには、個々の製品がそれぞれに必要利益を確保することが重要である。本論文では、それを可能とする原価企画活動についての概念と進め方を、体系的にまとめると共に、その定着化における課題について実態を踏まえて抽出し、原価企画活動を円滑に進めるためのVE適用方法の望ましい姿を、仕組みづくり・人づくり・道具づくりの面から総合的に提案する。