ものをつくる (3)   (ゆ)  No.62 

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

5月の連休はいかがお過ごしでしたでしょうか? 私は先月、京都、日光、新潟(はお仕事です)と毎週のように出かけて、いつもより使っていた頭と体を休めるべく、ゆっくりと過ごしていましたが、お陰様でリフレッシュすることができました。

さて、前回のブログでは、学生時代に1カ月間のアメリカ西海岸のホームステイでお世話になったホストファミリーと一緒に、外国の方向けの京都の茶道教室を訪れたお話をしましたが、外国の方が興味津々の日本のもう一つの文化というのは「忍者」でした。 茶道は分りますが「忍者」は意外でしたし、私は忍者道場なるものが京都にある事さえ知りませんでした。ネット社会の便利さで、お茶や忍者の道場もホテル同様に予約してから来日したようです。

私は「写真を撮りたいから」と、ホストマザーと一緒に見学させていただく事にしましたが、ここも茶道教室同様に表からはそれと分らないような所にあるのが忍者道場らしかったです。伊賀出身の方が経営されているとかで、私達の前に体験されていた方々も外国人のご一家でした(来場者の9割が外国の方だそうです)。 娘さん一家5人が忍者体験という事で、黒装束に身を包み(手足が長くて姿勢がいいので、これがまた似合うんです)、忍者の心得の他、刀や吹き矢、手裏剣等の実技指導を受けた後、一人ずつ実践するのですが、誰かが命中させる度に家族皆でハイタッチして大喜びしていました。 観客の私も、急遽「敵役」を頼まれて飛び入り参加する事になりましたが、日本人の私でさえ初めての経験でしたので、彼らにとってはとても貴重で楽しい体験だったのではないかと思います。

NINJA DOJO 2017.4 photo by y★u

道場では、忍者が使う「もの」も展示販売されていました。このような忍者の道具からも、日本の「ものをつくる」技術は発展していったのではないかと思われます。吹き矢一つにしても、水中で泳ぐための息継ぎの道具になったりと幾通りにも使えるような道具がいくつかありましたが、携帯を考えてかなり機能的につくられていたりするので、昔の忍者は知らず知らずのうちにVEを実践していたかもしれませんね。
さらに、忍者の活動の第一は「情報収集」との事ですし、忍術の要素の一つは「平和的解決に導く術」だそうですので、VEに通じる所があるかもしれません。現代の忍者がVErだったりして。

茶道でも、例えば効率良くお茶を点てる形が茶筅で、今現在も引き継がれているのではないかと思いますし、先生方のお点前を拝見していると、その動きにはムダがなく、流れるような所作が美しいです。茶道具には、時の権力者が功労者に対するご褒美としての付加価値もつけられたようですが、その付加価値のお陰で芸術作品としての地位を築いていったとも言えるかもしれませんし、陶器や漆器をつくる技術の発展にも大いに貢献したのではないかと思います。

茶道具も忍者の道具も時を重ねる毎に改善されていった事と思いますが、道具や格好だけはでなく、茶道も忍道もそこに確固たるマインドが存在するからこそ、外国の方をも惹きつけるのだと思います。

当会では、5月29日に「1日でわかる 改善マインド入門」講座を開催いたします。管理技術IE、QC、VEのマインドを理解し、演習を通じてその活用方法を学びます。三つの管理技術を適切に使い分けることで効果的な改善を実現できるようになります。
特に、新人・若手社員の方々にお勧めのこの講座には、きっと新しい発見があると思います。
5月22日が締切りですので、この機会に是非ご参加ください。(https://www.sjve.org/10397)

では、よい週末をお過ごしくださいませ。  (ゆ)

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