価値をあげる(5)  (ゆ)  No.335

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

さて、本日12月16日は「電話創業の日」で、1890年のこの日、東京市内と横浜市内の間で日本初の電話事業が開始されたそうです。ちなみに、加入電話は東京:155台、横浜:44台で、電話料金は定額制となっており、東京:40円、横浜:35円だったとか。米15kgが1円だった当時の通話料金を現代の値段に換算した場合、40円は約20万円で相当な割高料金だったそうです。

約130年の時を経て電話代は安くなり、今や携帯電話をほとんどの人が持つ時代となり、しかも電話だけでなくカメラやパソコン等の機能がつき、コストは下がったのに価値は上がっていますので、技術の進歩は凄いと思います。遠く離れていても一瞬で文章や写真が送れますので、友人・知人達と毎日のようにやりとりしていますが、下の写真もその中の一枚です。「渋谷スカイ」の屋上から撮影したもので、人々の姿が透明な防護柵に映っているそうです。

SHIBUYA SKY  2022.11 photo by Ryuko Kamiya

私が高校・大学時代に通っていた渋谷の街は今や驚くほど様変わりしてしまいましたが、世界的にも有名ですし、街としての価値も上がっているのかもしれません。最近は人混みに恐れをなして通過することが多いのですが、『夜景が人気のデートスポットらしい』と渋谷スカイの写真を撮って送ってくれたのは、日本ヨーガ学会の友人で神谷立子さんという盛岡の先生です。先月、3年ぶりに開催された同学会の全国大会でお話しして、お互いに写真や空が好きだということが分かって以来、スマホでメールのやりとりをしています。

彼女のこの時のデートのお相手は末の息子さんで、彼が3歳の時、彼女が叱り過ぎてしまった際、『お母さんは間違っている!』と宣言してから15年も反抗期で学校に行かない時期もあり、とても心配したとか。でも、紆余曲折しながらも成長して自分の道を見つけ、今は親が驚くほど誠実に仕事に専念しているという息子さんが、彼女を渋谷スカイに連れて行ってくれて、二人で空に近い場所から東京を俯瞰したそうです。帰ってからスマホで『本当に楽しかった。ありがとう』とメールしたら、息子さんからは『ずっと、こうしたかったんだ』という返信。

私には子供がいませんので、子育ての苦労は知る由もありませんが、その苦労の先にこんな幸せな出来事が待っているなんて羨ましいなあと思いました。息子さんが撮ってくれたという彼女の写真も送ってくれましたが、画面からも母親への愛情が伝わってくるかのようでした。後から振り返ってみた時に、大変だったからこそ、よけいにキラキラと輝く価値ある時間だったと思えたら素敵ですよね。更に、逞しく成長された息子さんは、「価値(のある時間)を(母親に)あげる」ことができて、ご自身もきっと嬉しかっただろうなあと思います。

彼女も私も好きなものを撮っている時は、時間を忘れてしまうタイプだと思うのですが、この時間って楽しい時は短くて、辛い時は長く感じるものですよね。親子の楽しいデートはきっとあっという間だったと思いますが、平等に与えられているはずの時間なのに、その長さの感じ方はそれぞれです。そして、もっと時間があったらいいのにと思う方は大勢いらっしゃるはずです。

実は、自分の感情のコントロールで時間は増やせるとか。その秘訣は『いつも時間がないと悩むあなたに贈る感情時間術』高橋貴子著(産業能率大学出版部刊)という本に書かれていますので参考にされてみてください。時間と上手に付き合える人は、激動の時代もしなやかに生き抜くことができるそうですので、自分にとっての時間の価値というものを上げてみられてはいかがでしょうか?

さて、当会のVE全国大会は、VEの普及・活性化と技術水準の向上を主な目的に毎年秋に開催されていますが、2023年度においてはオンラインで開催の予定で、「VE実践論文」を募集しております。お申し込みの締め切りは、2023年 2 月 24 日になりますので、この機会に感情コントロールで増やした時間で論文を書かれてみてはいかがでしょうか?(https://www.sjve.org/9130

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

 

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