夢を抱く (4)   (ゆ)  No.97

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

先週末に下記の内容をアップさせていただいたのですが、不具合があったようですので、改めてお届けいたします。失礼いたしました。

最近、新聞やテレビで豪華客船の旅の宣伝をよく目にするのですが、いたれり尽くせりでとても魅力的な内容でした。アンケートによれば行ってみたい国の1位がアイスランドだそうです。
「豪華客船で世界一周をしたい」という夢を抱く人は大勢いらっしゃると思いますが、まさにこれから「飛鳥」で世界を旅するという女性と偶然、電車で出会った事があります。

これは、15年以上前の事でVE誌の編集後記にも書いたのですが、VE誌の取材のために鎌倉へ向かう途中の電車のボックス席で、正面に座った上品な老婦人が私に話しかけてこられたんです。
真っ白なスーツ(私が『素敵ですね』と褒めたら、『こんなの洗濯機にポーンよ』だそうで、気取った所のない方でした)を着こなした銀髪の素敵な方でしたが、ご自分からほとんど一方的に身の上話をされだしました。彼女は、17年前に一人息子さん、その1年後にご主人を亡くされ、その後の12年間は、お舅さんの介護に費やし、2時間おきに起こされるので寝巻きで寝た事がなかったそうです。

ただ、嫁ぎ先は大きなお寺さんで、お嬢さんもお医者さんに嫁ぎ、経済的にはとても裕福で田園調布から鎌倉に移り住み、その日は伊豆の別荘の処分に行くとの事でした(行かない間にホームレスの人が住み込んでしまったそうです)。ずっと一緒に暮らしていたお手伝いさんには暇を出し、家を処分して高齢者施設に入る前に「飛鳥」で世界一周の旅に出られるとか。しかも、二人部屋を一人で使うため二人分の3200万円(!)を払っての船旅だそうです(思わずルームメイトに立候補したくなってしまいました)。

驚くほど警戒心や邪気のない方でしたが、乗客が少なかったとはいえ誰が乗っているか分らない電車ゆえ、悪い人が聞いていて、もし、後をつけられたりしたらどうするのかしら?と私でさえ心配になりました。いずれにしても、人が羨むようなリッチな夢を叶えようとされているのに、『贅沢な食事でなくとも、子供や孫に囲まれた質素な食事の方が幸せ』と言っていらした彼女の言葉が印象的で、人生の価値について改めて考えてしまいました。

人恋しいのか、見ず知らずの私に少し寂しげに話していた彼女を思うと、少なくともお金とかモノではない、ありふれた日常の中にあるものだと感じました。 夢の内容は人それぞれですが、小さくても大きくても自分にとって価値のある夢なら抱いていてワクワクするはずで、そんな夢を抱きながら日々を過ごせたらと思います。

私は、世界で見てみたいものが三つあって、一つは大地が創り上げた渓谷美ともいえるグランドキャニオン、もう一つは人が創り上げた芸術的な建築物のパルテノン神殿で、この二つは夢が叶って見る事ができました。残る一つは天空の映像美のようなオーロラなのですが、いつかは見に行きたいという夢を抱いているだけでも楽しいです。

そして、これとは別に私が長年夢見ていた事が、近々、叶う予定なのですが、長くなりますので、次回にさせていただきます。

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

 

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