執着を手放す (3)   (ゆ)  No.113

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

前回のブログの続きですが、「人生120歳の選択」の著者である一指 李承憲氏は、『執着を手放せば心が軽くなる』と述べておられます。その執着には大きく分けて下記の三つがあるそうです。

  1. 富や物質への執着
  2. 権力や名誉への執着
  3. 人への執着

まず、一つ目の「富や物質への執着」ですが、『老年に富や物質が十分あればよいのですが、少なくとも生活に困らない程度にあればいいでしょう。年をとるほど生活がシンプルになっていくので生活費も減っていくものです。若い頃に比べて医療費の支出が増えるかもしれませんが、予防のための最善の方法は普段からの健康管理と体力管理です』とありました。

財産を築き過ぎても、遺産相続で揉めるケースもあるように、富に執着して遺した財産に遺族達がまた執着して、「遺産争族」になってしまうなんて悲しい気がします。 更に、以前から思っていた事なのですが、若い時に健康を害するほど働いて富を築いたとしても、老年になってから、害してしまった健康を取り戻すために、今度はその富を取り崩していたのでは仕方がないような気がします。

身体を壊すほど働きに働いて富や物質をいくら手に入れたとしても、あの世に行く時は何一つ持っていけないどころか、自分の与り知らない所で争いの元になってしまう可能性もあるとしたら、執着しすぎる事は避けた方がいいかもしれません。それに、富や物質への物欲は際限がないでしょうし、手に入れたら入れたで、なくしたらどうしようと、心の平安はずっとやってこないように思います。確かに手放せば、懐以上に心も軽くなりそうです。

10年以上前の事ですが、買った宝くじの6桁の数字がすべて当選番号と同じで、「当った!」と思って主人と一緒に思わず小躍りした事がありますが、ものの数分のぬか喜びで終りました。組違いでした。でも、番号が同じというだけでもすごい確率だと思います。何億円も当るという当選番号ではなかったのですが、もし、そんな金額が当ってしまったら心が穏やかでないばかりか人生が狂ってしまうような気もします。身に余る大金は、「当ったら、何しようかなあ」と想像しているくらいで当らずに終ってしまう方が、ある意味幸せかもしれませんね。

二つ目は「権力や名誉への執着」です。ある面では、こういうものへの執着により発展を遂げてきたとも言えるのかもしれませんが、一方では世界各地での権力争いが大きな戦争を引き起こしてきたように思います。今は戦争のない日本でも、最近のニュースを見ていると、権力や地位にしがみつこうとする人達の執着心の強さに驚かされるばかりです。名誉に固執するあまり、持っていたはずの名誉を自ら失くしているかのようで残念な気がします。

「120歳人生の選択」の中で、一指氏も『権力欲や名誉欲が先立てば本末転倒であり、不協和音を引き起こして、結局はその人に不名誉というブーメランが戻ってきます。不名誉を抱えて地位を追われる政治家や事業家を私達は数多く目撃したのではないでしょうか?』と述べ、更に「権力や名誉への執着」を解消するにはどうすればいいかについて示唆されています。これは長くなりますので、次回にさせていただきます。

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

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