身だしなみを整える (6)   (ゆ)  No.160

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

先週の母の日は多くのお母さん達の笑顔があふれたのではないでしょうか?
もう3年半程前に閉店してしまいましたが、実家の生花店を母の日に手伝うのは好きでした。『花屋さんは綺麗でいいわね』とよく言われましたが、見た目より楽な仕事ではなく、無理がたたったのか母は健康を損ねてしまったようです。今思えば、母は地主の長女として育ったのに商家の長男の嫁として、しかも舅姑だけでなく父の弟妹達との同居という大家族で暮らす事は大変だったと思います。ただ、「家族仲がいい事」が魅力で嫁いだそうで、確かに笑顔の絶えない家庭でもありました。

私は内孫の初孫という事で、家族総出で可愛がってもらいました。器用で写真好きの祖父はよく写真を撮ってくれましたし、料理上手でお芝居好きの祖母はお芝居に連れていってくれました。更に、本をたくさん買ってくれた叔父、ドライブに連れていってくれた叔父、海やスケートに連れていってくれた叔父、映画に連れていってくれた叔母、茶道を教えてくれた伯母…と役割(?)分担がされていて、今思うと、まるで王女様さながらの恵まれた生活でした。

父には旅行に連れていってもらい、母には里帰りで緑あふれる田舎の生活を味合わせてもらいましたし、母方の祖父母にとっても初孫だったので、母の実家の家族にもとても可愛がってもらいました。そんな家族達からの愛情をたっぷり注がれて様々な事を経験させてもらえた事を改めて感謝しないといけませんし、そのお陰で今も色々な事に興味があるのかもしれません。

家族それぞれの友達とか親族の誰かしらが毎日のように訪れる実家は年中賑やかでしたが、そんな家族がきちんと身だしなみを整えるのがお正月でした。私が学生の頃までは祖父も父も和服を着て、お節料理やお屠蘇で新年を祝いました。私も着物を着た時は年の初めにふさわしい身だしなみに気持ちも引き締まりました。

和服といえば、昨年のノーベル賞の授賞式に、医学・生理学賞に選ばれた京都大学の本庶佑特別教授が紋付き羽織袴で参加されました。1968年に文学賞を受賞された川端康成氏以来50年ぶりの事だったそうですが、実に堂々と着こなされていらして、日本人はもちろん海外の方々にも感銘を与えたとか。

ある当会会員の方が、「身だしなみ」のポイントを教えてくださったのですが、「清潔感、機能性、周囲との調和」だそうです。更に、「身だしなみ」と「お洒落」の違いって何だと思われますか?その方によると、「身だしなみ」は他人が判断する事で、「お洒落」は自分が判断する事だそうです。本庶教授の正装は、世界中の人に『素敵!』と絶賛された事からも分るように「身だしなみを整えた」最たる姿でいらしたのではないかなと思います。ノーベル賞受賞はもちろんですが、その晴れがましい授賞式で日本の伝統をも世界にアッピールしてくださって素晴らしいなと思いました。

ただ、たとえ正装等を持っていなくても、「身だしなみ」には、お金も何もかからない上に、誰でもすぐにできるというVE的に言っても価値が高いと言えるものがあると思うのですが、何だと思われますか?今回のブログの中にも出てきている言葉なのですが、次回にさせていただきます。

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

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