本をつくる(4)   (ゆ)  No.189

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

さて、前回、前々回のブログで、私がVE誌やVE資料・研究資料、VE研究論文集をつくっていたことを書きました。本をつくるにあたりまして、実に多くの方々に原稿のご執筆をお願いしてまいりましたが、今までで約6000人以上の方々にご協力をいただいたことになります。この場をお借りして改めてお礼を申し上げたいと思います。

最新号が307号であるVE誌は1号につき約20人~30人、100冊を超えるVE資料・研究資料は各資料で約10人~20人の方々にご執筆いただいていましたが、実は1冊の執筆者が100人以上という本も担当しました。どういう方々に執筆をお願いするかまでが決まった段階で前任者から引き継いだのが「VEハンドブック」という本の編集でした。

「VEハンドブック」(総監修:上野一郎先生)の構想を固めるための編集打ち合わせ会は1999年から行われ、代表編集委員は、土屋裕先生、田中雅康先生、中神芳夫先生というVE界の重鎮の先生方でした。私も事務局担当者として一緒に朝から晩まで1室にこもって、時には休日も返上して240回程の打ち合わせ会を重ねました。そして、2003年には、著名な大学の先生方を中心に編集委員会が編成されて第1回の編集委員会が開催されました。

私は、編集委員会や打ち合わせ会の他にも、100人を超える方々への原稿依頼や原稿集め、校正等の仕事に追われ、当時は寿命が縮む思いでしたが、関係者の皆様のご尽力のお陰で2007年12月に構想から実に8年がかりで「VEハンドブック」が完成しました。

VE集大成の書である「VEハンドブック」は、B5判で約650ページ、厚さ4㎝のハードカバーでケース付きという立派な本で、私が携わった本の中で、唯一、書店に並んだ本でもあります。今回のブログが偶然189回となりますが、担当した仕事の中で一番四苦八苦したのが、この「VEハンドブック」という本をつくる仕事で、ものすごく手間がかかった分、手にした時は本当に感慨深いものがありましたし、自分にとっていい経験になったと今は思っています。

「VEハンドブック」の「発刊にあたって」から一部を以下に抜粋させていただきます。

『VEを広く普及させるために日本VE 協会は、これまで40 余年にわたり研究と普及の活動に注力してきた。この間に経営環境は大幅に変化し、グローバル化も進展し、社会的ニーズも変化してきた。現代は知的創造が企業価値を生む時代であり、企業にとって知的創造力の強化が非常に重要な課題となっている。こうした課題に応えるためにはVEをより広く、かつ深く発展させ、普及させる必要がある。

このことは本協会の使命でもある。この使命を果たすものとして、VEを総合的な視点から理論的かつ体系的に記述した図書が必要になる。本ハンドブックの刊行は、この要請に応えるものであるといえよう。

本ハンドブックはVEの基本的考え方と方法論、VEを適用した事例などを体系的に記述し、経営者、VEの研究者、実務家に有用な情報を提供することを意図したものである。現時点では世に類書がないので、世界初の総合的VE書ということになる。このことは本協会にとっても、まことに有意義なことである。本ハンドブックがVEの研究と実践活動に貢献することを期待したい。』

本当に多くの方々のご協力により完成した「VEハンドブック」(写真左)は、お陰様で完売しましたので、皆様がもっと使いやすいようにと改善して作成したのが、「VEハンドブック・普及版」(写真右)になります。

Value Engineering Handbook photo by y★u

「VEハンドブック・普及版」の詳細につきましては次回に書かせていただきます。

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

 

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