栄養を摂る(6)  (ゆ)  No.226

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

前回のブログで触れた血糖値ですが、ご飯やパン等の炭水化物が体内で分解されてブドウ糖となって血液に入ったものが血糖で、血糖値はその濃度のことです。10代、20代の若く健康な人であれば、食後に一時的に値が上がっても、速やかに下げることができるそうですが、加齢と共にその働きは鈍ってくるそうです。働きが鈍っているのに過剰に糖質を摂る食習慣を続けていると血糖値が高くなり、まず、食後に血糖値が急上昇するようになり、更に進行すると空腹時でも血糖値が高い状態が続いて糖尿病になってしまうとか。

糖尿病は心筋梗塞や脳梗塞、腎機能障害等の合併症を引き起こし、悪化すると、足の壊疽、透析、失明等の症状が出てしまう怖い病気です。糖尿病の前段階の状態でも悪影響は広範囲に及ぶそうで、それが「食後高血糖」というものだそうです。これは食後の血糖値が急上昇をすることを指し、35歳を過ぎた頃から血糖値を下げる働きが十分でなくなってくるため、食後2時間経っても高血糖のままというケースが増えてくるそうで、心筋梗塞等の心血管疾患による死亡リスクが高くなってしまうことが明らかになっているそうです。

この食後高血糖は食事の内容を工夫することで避けられるそうで、緩やかな糖質制限が(特に50歳を過ぎた方に)お勧めだそうです。日本人は現在、一食で90~100g、1日当り270~300gの糖質を摂っているので、食後高血糖のある方は、1日の糖質摂取量を70~130gに抑えるといいそうで、そのポイントが以下の3つになります。

1.主食を半分にする(例えば、ご飯の場合はお茶碗に軽く半膳、麺類なら半玉、パンなら6枚切りの1枚で30g弱)。おかず類も糖質の多い食材(いも類、コーン、レンコン、かぼちゃ等)を避けるか量を控える。

2.タンパク質、脂質、食物、アルコールはいずれも血糖値の上昇を抑える働きがあるので、糖質より先に摂るだけで血糖値は上がりにくくなる。肉、魚、卵、大豆製品、野菜・きのこ類、ナッツ等を食事の始めに積極的に摂る。

3.食後の運動も血糖値上昇を抑える(糖が血液中で余ってだぶつく前にエネルギーに変換するには食後が効果的)。普段から運動する習慣があるだけでも血糖値を下げる効果が期待できる(有酸素運動と筋トレを組み合わせるのがベスト)。

他にも、血糖値を上げない食べ方等についてのQ&Aがありましたので簡単にご紹介します。

Q1.コンビニ食にする時の食品の選び方と食べ方は?
A1.野菜やサラダを別に買って最初に食べる。できればおかずとご飯は別々に買って、おかずは温め、ご飯は冷たいままがベター(肉類等のタンパク質は、温めて食べると脂肪として蓄積されにくくなる。ご飯は温かい状態だと血糖値を上昇させるが、冷たいと一部分が食物繊維と同様の難消化性となって血糖値を上げにくくさせる)。

Q2.カレーや丼もの等の1品ものを食べる時は?
A2.刻んだキャベツや海藻を盛り合わせるか、野菜ジュースや牛乳を飲む。また、生卵を混ぜることで血糖値の上昇を抑えられる。

Q3.炭水化物を完全に抜いてもOK?
A3.健康な人が全く摂らないのはNG。脳内の栄養となるのは炭水化物に含まれる糖だけ。炭水化物なしでは筋肉や肝臓にダメージを与える場合もあるので数口でも摂った方がいい。

栄養は摂り過ぎも摂らなさ過ぎもNGのようですが、食べ方の改善で病気を予防できるなら、これも一つのVEととらえて、できるだけ気をつけていきたいものですね。

上のようなQ&A形式は要点が分りやすいと思いますが、今年の当会の全国大会(10月27日、11月4日、10日)は、初めて完全オンラインで開催されます。10月1日から参加申し込みの受付を始めさせていただきますが、視聴方法や決済関係、大会資料の扱いなど、これまでに寄せられたご質問の一部を当会のHPでQ&A形式にてご紹介していますので、ご参照の上、是非、ご参加ください。(https://www.sjve.org/20259

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

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