本を読む(5)  (ゆ)  No.239

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

今日はクリスマスですね。クリスチャンではなくても、世界一読まれている本である聖書(発行部数は50憶以上だそうです)の一節を読んでみるのもいいかもしれませんし、下の写真のようなクリスマスイルミネーションを見ているだけでも心が癒されるような気がします。

Christmas tree 2020.12 photo by y★u

さて、前回のブログでお話しした、今年、私が一番感銘を受けた記事の一部をご紹介したいと思います。それは、6月12日付けの読売新聞に掲載された『「活字の学び」魅力と大切さ』をテーマにした鈴木るりかさん(2017年に中2でデビューした16才。「さよなら、田中さん」は10万部超のベストセラー)という作家さんのインタビュー記事でした。

『「生まれた時からインターネットが身近にある世代」ですが、ネット情報は玉石混交です。鵜呑みにせず、否定もしません。ネットで信用できる情報を見極めるには、相応の力が必要ですが、紙に印刷された情報は信頼しています。印刷されるまでに、厳重なチェックを経ていることを知っているからです。活字を読む行為は一見、静かな営みですが、実はアグレッシブな精神活動だと思っています。

音楽や映像は、電源を入れれば自然と耳や目に入ってきます。本を読む時は文字を追い、言葉を理解し、文章を読み解き、展開を予想し、わからない語彙を調べます。集中力のいる面倒な作業です。現代は本を読むより刺激的なコンテンツがあふれており、若者の読書離れが叫ばれて久しいですが、スマホやタブレットで小説を読む人もいます。デジタル機器は読書の時間を奪う敵と見るのではなく、共存できればいいと思っています。現代には現代の読書スタイルがあります。それぞれの生活に合わせて、うまく活字を取り入れてほしいです。』

10代半ばにして、この洞察力や達観力に驚くしかありませんでしたが、文章にはクリスマスイルミネーションのように知性がキラキラと輝いていました。ご自宅の隣に公立図書館があり、毎日のように通われていたそうですが、数多くの本を深く読まれてこられたからこそ培われてきたものではないかと思います。そして、「本を読む」ことの魅力は、『折に触れて何度も引き戻されるような、人生に大きな影響を与える1行や言葉に出会う体験を得ることができること』にあり、彼女にとってそんな価値ある言葉の一つが、太宰治の「葉」の最後の一文、『どうにか、なる』だそうで、この言葉を思うと大抵のことは乗り切れるそうです。何かと慌ただしかった今年も残す所あと数日ですが、来年はきっと『どうにか、なる』ことを信じて乗り切れるといいですね。

つい先日、昨年に知り合ったばかりの方が私にお勧めの本を送ってくださいました。クリスマスプレゼントのようで嬉しかったですが、昨年から今年にかけて、当会の会員や関係者、大学の先輩といった方々からもお勧めの本を頂きました。もう10年程前に他界されてしまいましたが、来会される度に私に色々なお話をしてくださった会員の方からも、お勧めの本のリストを頂いたことがあります。こういう方々は間違いなく「本を読む」ことがお好きで数多くの本を読まれていらしたからこそ人に勧められる本があるのだと思いますが、勧めてくださるそのお気持ちも私にとってかけがえのない価値あるものですので、改めて感謝しています。

世の中の夥しい数の本から読みたいものを選ぶ際に上述のようなリストがあると便利ですが、今は、「ネットギャリー」というサイトで、発売前や発売中の本のゲラをネット上で無料閲覧できるサービスもあるそうですので利用されて参考にされてみてはいかがでしょうか?
当会のHPでも、無料でダウンロードできるVE資料もございますので、お読みいただければ人生が変わる…かもしれません。(https://www.sjve.org/freedownload

なお、当会は誠に勝手ながら12月28日より2021年1月4日まで冬季休暇とさせていただきます。今年もこのブログをご愛読いただきまして、ありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願い申し上げます。

では、よいお年をお迎えくださいませ。 (ゆ)

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