賞を取る(2)  (ゆ)  No.302

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

前回のブログで触れた「映画と車」というキーワードで思い浮かぶ私の体験の続きになりますが、この体験自体の記憶はまったくないのですが、幼い頃に車にはねられたことがあります。当時、今ほど娯楽が多くはない中で人気を博していたのは映画で、実家の最寄駅である三軒茶屋には数軒の映画館がありました。その中の一つ、国道246号線沿いにあった映画館に、3~4歳頃の私を一緒に連れて行った父は途中で寝てしまい、私は何を思ったのか一人で映画館を抜け出し、トコトコと車道に出て車にはねられてしまったようです。

映画館で目を覚まして私がいないことに気づき慌てて外に出た父は、『今、小さい女の子が車にはねられて救急車で運ばれた』と聞いて、急いで病院に駆けつけたそうです。そこで父が目にしたものは、包帯でぐるぐる巻きにされた私…ではなく、病院のベッドをトランポリンのようにして元気にはねていた私だったと、何度となく嬉しそうに話していましたが、私のその姿を見るまではきっと生きた心地がしなかったんだろうなあと思います。その時はお蔭様で大事には至らなかったものの、車のスピードも交通量も違う現在でしたら、どうなっていたかは分かりませんので運も良かったのだと思いますが、運がいい時もあれば悪い時もあります。その事故から数年後、小学校に上がるか上がらない位の頃に自転車に轢かれたこともあります。

友達と家の前の道路に(若い方はご存じないかもしれませんが)ロウ石で絵を描いて遊んでいた時のことです。自転車がこちらに走ってくるのに気づいた私は、慌てて端によけながら友達に『真ん中にいると危ないよー』と声をかけたのですが、自転車に乗っていた男の子はまだ夢中で絵を描いていた友達をよけた勢いで私を轢いてしまったようです。こちらも命に別状はなかったものの足が少し曲がってしまい、子供ながらに少々理不尽な気がしたのをうっすらと覚えています。

その後も捻挫や骨折等のケガはありましたが、お蔭様で大きな事故には遭わずに済みました。苦あれば楽あり?なのか、子供の頃は、ケガをする一方で絵や作文で小さな賞をいくつか頂いた覚えがあります。この頃は賞を取るというより、作ったものへの評価として頂けたものだと思いますが、嬉しかったことを覚えています。そして、社会人になってからも、ただ仕事をしていただけですのに当会の第29回全国大会実行委員会から「特別賞」を頂きました。下の写真がその表彰楯ですが、こういう立派な賞を頂くのは初めてで嬉しかったです。

    Award plaque 2022.4 photo by y★u

この賞を頂いてから約10年後、マネジメント関係の専門団体で構成される社団法人全日本能率連盟からも「永年にわたり経営管理の分野で編集などの職務に精励し、これを通してわが国産業能率の向上に貢献した功績」が認められて表彰をしていただき、身に余る光栄でした。会員有志の方々がお祝いもしてくださり、長いこと続けていれば、賞やお祝いを頂けるようないいこともあるのだなあと嬉しく思うと同時に、支えてくださった周りの方々への感謝を新たにした次第です。

数日前に、JA共済の「交通安全啓発活動」の新聞広告で、2007年に交通事故でお嬢さんを亡くされたタレントの風見しんごさんの「小さなお子さんを持つ、お父さん、お母さん」に宛てたお手紙が載っていました。風見さんのお嬢さんは青信号の道路を渡っている時に、通学時間帯は通行禁止になっているスクールゾーンを通って右折してきたトラックに轢かれてしまわれたそうですから、本当に理不尽な事故だったと思います。風見さんは『交通事故は当事者を選んではくれません。親子で通学路を一緒に歩いて危ない場所を確認し、何に注意を払うべきか、繰り返し話してください。大切なお子さんの命を守り抜くために、小さな注意を、家族で一緒に積み重ねて欲しいと思います』と結ばれていました。

当時10歳だったというお嬢さんは、もし、助かっていれば何かの賞をたくさん取って、家族でその喜びを分かち合うことができていたかもしれなかったのにと思うと残念です。この時期、まだ通学に慣れていないお子さん達も多いと思います。4月6日から本日15日までは春の交通安全週間でしたが、VE同様にできるだけの情報収集をした上で、いつでもどこでも歩行者も車の運転者も双方で注意をすることが大切だと改めて思った次第です。

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

過去のブログはこちら

関連するページ