VEを生む   (ゆ)  No.11 

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

昨日の4月21日は何の日だったかご存じですか?
ご存じの方はかなりのVE通でいらっしゃると思いますが、実はVEの創始者であるローレンス・D・マイルズ氏のお誕生日です。彼が誕生しなければ、VEという技法はもちろん、アメリカや日本にVE協会も誕生しなかったわけです。

マイルズ氏は、1904年4月21日、ネブラスカ州ハーバードで生まれ、1929年、ネブラスカ・ウェズリアン大学で教育学を修め、1931年ネブラスカ大学電気工学科を卒業後、GE社に入社し設計技術者として働き始めました。そして、1947年にVEを生み出されました。1959年には米国VE協会初代会長に就任。1972年、1978年、1983年の3回にわたって来日もされ、「VE全国大会」でVEの基本理念について講演された他、多くの企業でも講演され、VEの普及促進に貢献されました。1985年8月1日に他界されましたが、同年の10月には、マイルズ氏の功績に対して、日本国より「勲三等瑞宝章」を授与されました。

11 Mr. and Mrs. Miles

通省産業大臣室で行われた「勲三等瑞宝章」授与式のために来日された、エレノア・マイルズ夫人の受賞のお礼の言葉の一部を以下に引用させていただきます。

『故人は価値分析(VE)の理論・技法の開発とその普及啓発に一生をかけてきましたので、本日の栄誉は、故人のみならず、日本および米国ならびに世界のバリュー・エンジニア達の努力とその成果を評価していただいたものとして、心から感謝の意を表する次第でございます。』

さらに、マイルズ夫人がマイルズ氏の告別式で挨拶された内容が当時の小誌にも掲載されましたので、こちらも一部を以下に紹介させていただきます。

『妻の私から見て、ラリーという人間の価値は、決してその業績とか世界中から受けた敬意とかだけでは測れません。むしろ、彼との日々の暮らし、家族やお友達との親睦、そして社会的貢献の努力などの中に彼の偉大さを見てまいりました。本当に偉い人間はこんな形で証明できるのではないでしょうか?ラリーはそういった意味でも申し分のない人でした。』

私は、直接お話をしたことはありませんでしたが、笑顔を絶やされず、お互いへの信頼感が目に見えるようなお幸せそうなご夫妻という印象でした。奥様がご挨拶で称賛されていらっしゃるように、マイルズ氏は、日々の暮らしや回りの人達を大事にされる方でいらしたからこそ、VEという素晴らしい技法を生みだせたのではないかしら?とも思います。

アメリカに憧れた私が、アメリカで生まれたVEという技法を普及する仕事に就いたのも何かの縁だとは思いますが、果して回りの人達から認められるような価値のある生き方をしているかどうか?ない胸を張って「あります!」と言えるといいのですが・・・。
皆さんは自信がありますでしょうか?特に、いつ、何があるか分らない今の世の中にあって、こういうことをできるだけ念頭において生活していかなければと、VEの生みの親であるマイルズ氏のお誕生日に際して思ったことでした。

では、よい週末をお過ごしくださいませ。  (ゆ)

過去のブログはこちら