VE創造段階における発想技法の考察

論文

VEが我が国に導入されて以来,この思考法は色々な環境の中で,企業経営における利益確保の柱として大きく成長した。この間に,VE技法そのものもより大きな成果を得るために,VE手順の改善とか,新しい分野に適用する新技法の開発等,長足の進歩を遂げてきた。

しかし,このような努力にもかかわらず,VE活動によって獲得される成果は,初期の導入段階で得られたものに比較して,次第に減少の傾向にあるのも事実である。

本論文は,特定のプロジェクトについて,数回のVE-TFP活動を繰り返して実施した結果の資料に基づき,本当に「VEは無限である」のか……を検討したものである。その結果,VE活動の成果を示すVE率は,1つの曲線の近似式によって低減することが判明した。この曲線の性質は,今後多くの事実データによって裏付けられる性質のものであるが,「VEは無限である」ことを示唆している。また,この近似式によって最初の第1回目のVE活動によるVE率から2回目以降におけるVE活動の目標額の大枠設定が可能となる。

更に,本論文はこれら一連のTFP活動の追跡調査により,この曲線の性質を究明しこれと現在活用されている各種発想技法から,VE活動の発想段階における実践上の具体的な方法をパターン化した。この方法の有効性は,多くのプロジェクトによる実践活動において証明されているので,本論文は今後のVE活動における参考の資料とするものである。

目次

  • <はじめに>
  • 1. VE活動におけるアイデア発想曲線 -アイデア生産のパターン-
  • 2. 発想曲線の近似式
  • 3. 発想方程式の考察
  • 4. 「VEは無限である」の実践活動における論拠
  • 5. 発想曲線を維持するための具体的方策
  • 6. VEにおける発想技法のパターン抽出
  • 7. 4つの発想パターンとVEテーマへの適用
  • 8. 発想技法と実践活動
  • <むすび>

発行年

1979年 VE研究論文集 Vol.10

著者

東京芝浦電気株式会社
本社資材部VA推進担当課
小川政夫

カテゴリー

  • VEテクニック

キーワード

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