医療の質向上のための 業務標準化における VE 活用の提案

論文

医療において、診療の品質・効率の向上は 不可欠である。そして、それらを向上するには、一般に業務プロセスの標準化が有効である。標準化が図れれば、不適合や作業ミスの防止、作業の効率化、改善のための基盤形成といったメリットを生かせる。歯科の治療法は確立されているが、患者ごとに口腔内の環境は異なるため、画一的ではない患者に合わせた治療が求められている。しかし、患者にどのように合わせるべきか明確に示されていない。本稿 では、歯科医院の業務における可視化、標準化を行うための方法論を示す。業務標準化の一般的な方法論は、QC (品質管理)の手法の1つとしてある。VEが価値向上を目指す改善手法に対し、QCは品質の安定維持をはかる手法であり、製造業をはじめ、多くの企業が品質管理を行う際に、QC手法を取り入れているだろう。QCストーリーと呼ばれる問題解決のステップの1つに業務標準化を進めるための方法が示してあるが、実施者が目的思考でない限りQCのみでは不足だと感じている。そこで、業務標準化を実施する際に、VEを取り入れた活用方法を提案する。

目次

    1. はじめに
    2. 業務標準化 の流れ と VE 活用
    3. 現状把握 (STEP.1)
    4. 患者の分類基準の検討 (STEP.2) と必要な作業の導出 (STEP.3)
    5. 作業プロセスの設計 (STEP.4)
    6. 事前準備・事前教育(STEP.5)
    7. トライアルと修正(STEP.6)
    8. VE 活用の効果
    9. 結論

発行年

2020年 VE研究論文集 Vol.51

著者

株式会社 ETERNAL SMILE
取締役
内田 佳代

カテゴリー

  • VEの適用局面

キーワード

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