論文
VAが,わが国に導入されて10年を経過した。この間,VA思想の企業への浸透は,めざましいものがあり,VAの対象も部分から全体,そして総合化へと,遂次,拡大の一途をたどってきた。またVE技法はセカンドルックを中心としたVAから,ファーストルックをめざすVEにと,発展拡大してきたことは,周知のとおりである。
最近の価値概念の変化は,大きく拡大しつつある。使用価値の向上に限定された初期のVAに比して,最近の傾向は,エスティーム・バリューをも対象とした,感覚機能に重点が置かれた,広い価値概念に対象が拡大化してきたといえる。今やVEは,単なるコストダウンの有力な手段にとどまらず,広く顧客の要求を満たすマーケッティングの中にあって,商品の価値を高める,そして具現化を計る強力な一助を担うVEに,成長したとみるべきであろう。
一方,企業内活動においても,ソフトウェア面で,価値向上をめざす努力がなされている。"物"を中心として発展し,半ば成功をおさめてきたVEの適用局面も,その基本姿勢ともいえる価値概念を,ソフトウェアの効率向上面に拡大しつつある点も,指適できよう。
このように10年を経過したVE,そして,これまで未開発であった局面に,VErの活躍の場が展開しようとしている'70代に,VErとして,企業から何を期待され,また,どのように応えるべきかについて考察を試みたい。
目次
- 1. まえがき
- 2. VEに対する企業ニーズ
- 2-1 コスト計画への参画
- 2-2 コストターゲットの設定と達成
- 2-3 部門間の総合調査
- 2-4 評価とコントロール
- 3. VEの適局用面
- 3-1 商品開発,企画段階とVE
- 3-2 開発設計段階とVE
- 3-3 商品設計,機能設計段階とVE
- 3-4 生産準備段階とVE
- 3-5 製造段階とVE
- 3-6 購買業務とVE
- 4. バリュー・エンジニアのめざすところ
- 4-1 サービスエンジニアとしてのVEr
- 4-2 システムとVEr
- 4-3 コスト見積りとVEr
- 4-4 創造性とVEr
- 5. むすび
発行年
1970年 VE研究論文集 Vol.1著者
- 東洋工業(株)
生産技術部監査課 - 中川直政
カテゴリー
- マネジメントとVE
キーワード
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