横断VAのアプローチ技法

論文

昨今の企業をとりまく環境条件は,まさしく,戦後史に一時期を画し,経済混乱は,過去何回かの不況時とは,格段の違いを持った様相を呈している。この事は,もはや,かっての10%を越える高度成長の時代は終り,経済体制の転換を示していると言っても過言ではあるまい。

高度成長時代に培われた感覚での判断は,非常に危険な常識となりつつある。

当社における「VA倍増作戦」の展開も,こうした過去の高度成長時代の常識より脱し,企業をとりまくもろもろの環境条件に,柔軟に,先行的に,対応せんとするもので,"全員参画のVA" "製品総点検のVA"をキャッチフレーズに,昭和49年3月より実施されておる。

ひるがえって,当社におけるVAの発展過程を見るに,十数年前,購入資材費の原価低減を目的に導入された"VA"も,現在では,企業体質の改善を最終目的として,製品損益の改善を主体とした活動に,完全にエスカレートしており,現在,全工場で,期ごとに,1,000以上ものVAプロジェクトが実施され,その成果も,月額30億円余にも達している。

本論文は,こうしたVAプロジェクトの一環としての成果のうち,全社的に使われている部分機能を,共通機能として抽出し,分析した結果を,「横断VA」のステップとして纏めたものである。

目次

  • 1. 緒言
  • 2. 横断VAの考え方とその分析ステップ
  • 3. 分析ステップ各論
  • 3-1 対象の選定
  • 3-2 機能分析
  • 3-3 コストレベルの把握
  • 3-4 ポテンシャルの発見
  • 3-5 低減要因の抽出と証明
  • 3-6 効果の把握とフォローアップ
  • 4. 横断VAによる成果
  • 5. 結言

発行年

1975年 VE研究論文集 Vol.6

著者

株式会社日立製作所
資材部
手島直明

カテゴリー

  • VEテクニック

キーワード

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