論文
監督者にVEを理解させることについて,現在でも疑問を持つ向きが多い。かってQC,ICがスタッフの独占物であった時代と同じ考えである。しかし現在は,QCサークルの活発化により,製造現場でQCが十分に役立ち,大きな成果をあげている事実は否定できない。さてVEについてはどうであろうか。もし,監督者としてVEが理解できないとすれば,教え方が良くないのであり,理解させる工夫が足りないと考えるべきである。このような考え方で,製造現場にVEを導入する工夫が,先進的な企業で始められつつある。
たまたまVE協会関西支部において「製造VE研究会」が持たれ,製造現場にVEを理解しやすい形で導入するための研究が始められたので,これに参加し,当所に導入するための準備をした。この関西支部の研究会を通じ,内容の掘り下げと教育のやり方を研究するとともに,ようやく所内の機運も熟してきたので,昭和49年に実験的に監督者VEセミナーを3回に分けて開催した。"短期実践的"をモットーにしたこのセミナーは,ほぼ予想どおりの成果を収めることができたので,その後も連続してセミナーの開催と,活動の浸透を図っている。
以下,セミナー開催のねらい,内容,評価などを中心に実施状況を述べるので,ご批判,ご叱声を頂だきたい。
目次
- 1. 緒言
- 2. VE導入の経緯
- (1) 当所の概況
- (2) VEの歩み
- (3) QCサークル活動とVE
- 3. 社内教育の実施
- (1) セミナー開催のねらい
- (2) カリキュラムの設定
- (3) 短時間で理解させるための工夫
- (4) 短時間セミナーを可能にする条件
- (5) 実施状況と効果
- 4. 社内教育での問題点
- (1) 「物のVE」の段階
- (2) 「作業のVE」の段階
- 5. 今後の方向
- 6. 結び
発行年
1975年 VE研究論文集 Vol.6著者
- 三菱重工業株式会社
神戸造船所 企画部 管理技術課 - 高柳昭
- 三菱重工業株式会社
神戸造船所 企画部 管理技術課 - 吉野啓介
カテゴリー
- VE教育
キーワード
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