一体化思考によるアイデア発想法 --新創造技法の開発--

論文

VE活動において「創造力」は不可欠であるが,持って生れた個人差がつきまとい,訓練や既存の創造技法の助けを借りても,なかなか向上しにくい資質である。

また,如何に「知識」が豊富でも,「世の中の汎例や常識の範囲の発想」にとどまる人が意外に多いのに気がつく。「創造力の優劣」は,時には,人の運命を変えたり,また,企業活動においては,製品のライフサイクルや経営数値にも影響を及ぼす。

われわれVE担当者にとっても,「業界の競争」に打ち勝つ手段として「コストダウン」や「セールスポイント」を付加するための「アイデア」を,より効率的に生みだすことは,重要課題である。

しかし「TFP(Task Force Project)活動」を通じて感じる点は,まだ構成メンバー(設計,生産技術者他)の持合せる「創造力の範囲」に,活動の成否が左右され易いことである。VE推進者は,推進手段を考えたり,創造技法を駆使してメンバーを刺激し,より有効な創造をさせるべく試みるが,既存の創造技法を通して感じるわが社の問題は,

1) 難解で理解するまでの時間がかかる。

2) 創造し易い環境作り的なものが多く,アイデアの数が出ても,質や歩留りは必ずしも良くない。

3) 直接的に「答」につながるアイデアの抽出技法は少ない。

4) 問題点を把握する「分析技法」は多く開発されているが「創造技法」の数は少ない。

等が問題としてあげられる。そして「誰もが同じレベルでアイデアを出し得る技法」を開発する必要性を感じた。

目次

  • 1. 技法開発の動機
  • 2. 技法開発における着眼点
  • 3. 技法の特徴
  • 4. 技法の解説
  • 5. 技法の活用例
  • 6. まとめ

発行年

1982年 VE研究論文集 Vol.13

著者

株式会社日立製作所
清水工場 技術部 VAグループ
中村雅彦
株式会社日立製作所
本社 資材部VA推進センタ
平塚武幸

カテゴリー

  • VEテクニック

キーワード

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