機能と構成要素のマトリックスの活用による製品設計の方法「機能デザインマトリックス法」

論文

顧客の要求する製品を生み出すためには、その製品に求められる機能、品質を達成するために基本となる固有技術と、価格、納期などの管理技術を併せた 総合技術力が不可欠であることは言うまでもない。しかしながら昨今の企業環境をみると、団塊世代(ベテラン)が去り、急激な増産対応へ新人投入するも教育 不足がたたるなど技術レベルの低下による品質の維持・向上が難しい状況に陥っているのが実態である。

本論文ではその対応策として、専門の知 識を持つ技術者のプロジェクト活動によって、対象とする製品の果たすべき機能、機能分野、その制約条件を明らかにし、それらの達成手段である構成要素(機 構・部品)を関連付け、さらに技術性の評価との対応関係を把握できる機能デザインマトリックス法を提案する。

機能デザインマトリックスは、 製品の広義の機能と、製品の構成要素、製品の技術性の評価の関連をデザインした機能的研究であり、製品に関する固有技術情報の集大成である。これを活用す ることで、競争力のある製品設計、固有技術の確実な伝承、新たなVE活動への貢献、設計・製造変更での検証漏れ防止など、製品品質の維持・向上に貢献する ことを示した。

目次

    • 1.はじめに
    • 2.固有技術(ノウハウ)の蓄積と伝承
    • 3.機能デザインマトリックスの定義
    • 3.1 機能デザインマトリックスの概要
    • 3.2 機能デザインマトリックスの構成
    • 3.3「機能と制約条件」軸
    • 3.4 「構成要素」軸
    • 3.5 「技術性の評価」軸
    • 3.6 項目の関連付け
    • 4.機能デザインマトリックスの作成事例
    • 4.1 下ローラの機能・特性
    • 4.2 機構・メカニズム・構成要素
    • 4.3 評価
    • 4.4 下ローラの機能デザインマトリックス
    • 5.変更点管理への活用
    • 5.1 ローラ;ハーフの溶接方法変更
    • 5.2 変更点のコスト管理
    • 6.まとめ

発行年

2013年 VE研究論文集 Vol.44

著者

日立建機株式会社
品質保証本部
橋本 謙二 (VEL)

カテゴリー

  • VEテクニック

キーワード

  • 変更点管理
  • 広義の機能
  • 技術伝承
  • 機能の定義
  • 機能デザインマトリックス

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