論文キーワード: コストテーブル 3件

購買費用は、製造業の例でいえば、原価の約55~70%を占め、企業経営への影響度が高い。筆者は、最安値が実現でき、かつ効率的、効果的な購買テクニックの開発はますます重要であるという認識をもっており、企業経営に役立つ購買主導的な活動は何かという観点から本テーマに挑戦した。

アプローチの方法は、購買業務機能はなにか、経営に貢献できるその時代、時代の購買戦略機能は何かを再点検することを試みた。ここで明確になった機能を達成するための方法と科学的なテクニックを開発・改良して適用する。

さらに、購買業務機能、戦略機能、テクニックを有機的に組み合わせマトリックスにして、誰にでもできるようにしたものである。これらの方式は、実戦でも活用済みである。また、経営状況や市場の状況の変化に応じ、内容を見直しながら活用できる。

長引く景気低迷のなか、目標利益が得られない等、厳しい状況下で受注するケースが多発している。企業が永続的に発展するためには、このような状況下においても顧客満足を得ながら目標利益を確保することが不可欠である。本論文はこれらを可能にするための『建設業における原価企画システム』について提言する。原価企画システムはコストを切り口とした一連の管理活動であり、それは企画提案から施工に至る過程で体系化されたVE活動を効率的に実践しながら、確実に目標利益を得ようとするものである。これらを総合建設業の立場から展開するものである。

企業が永続的に発展するためには、個々の製品がそれぞれに必要利益を確保することが重要である。本論文では、それを可能とする原価企画活動についての概念と進め方を、体系的にまとめると共に、その定着化における課題について実態を踏まえて抽出し、原価企画活動を円滑に進めるためのVE適用方法の望ましい姿を、仕組みづくり・人づくり・道具づくりの面から総合的に提案する。