公共事業は、経済活動と国民生活を支える社会的使命を担っている。しかし、限られた財源と長い事業期間は、大きな課題となっている。コストを削減する技術は多くが提案されてきたが、整備を早める技術があまり提案されていない。
そこで、公共事業の整備に関わる各段階において、それぞれに実践的対策法を提案する。すなわち、合意形成を早める実践的対策法、工期を評価する実践的対策法、機能発現を早める実践的対策法である。
合意形成を早める実践的対策法では、3つの共同VEの提案を行っている。工期を評価する実践的対策法では、コストと工期を同時に評価できる多指標評価法の活用を提案している。そして、機能発現を早める実践的対策法では、段階整備の考え方と各段階における価値分析を判断するプロセスコントロール図法を提案している。
これらのテクニックが全ての公共事業に活用され、国民、県民の満足度の高い社会資本が適切なタイミングで提供されていくことを願っている。
この論文は、地域住民が主体となって、便利で、快適で、人情味あふれる個性ある街づくりを実現するために、VEを適用し行政と住民が協働して、街づくりプランを合理的に策定する提案である。従来の我が国の都市計画は行政主導型で、その内容や手続き等は法律で細かく規定され全国画一的であった。これを欧米方式に改め、個々の市町村が各々の特徴や個性を活かし、行政と住民が協働して、『コラボレーション・デザイン』の考え方を取り入れ、都市を形成する方針に都市計画法が改正された。それは様々な考え方を持つ住民が、望ましい街づくりの未来像を描き、その構想やイメージを共有して、街づくり目標を達成するアイデア発想して街づくりプランを策定し、住民が主役の街づくりを進める。
すなわち、行政と住民が協働して創意工夫し、街づくり目的に合った良好な街環境を形成し、維持・向上させる考え方である。そのため、街づくり機能を明確にし、その機能を達成するアイデア発想して、アイデアを相互に補完させ、異なる発想を交錯させ、新たな視点を見出し調和させ総合化して、目的に合った街づくりを実現するVE論文である。