論文キーワード: 開発設計段階のVE 2件

企業には顧客に新たな感動を与える価値の創造が求められている。そのためには既に明 らかな顧客の顕在的要求に加えて、潜在的な要求を見いだし、新たな価値をもたらす製品 やサービスの基本着想を創造する必要がある。本論文では、企画段階のVEプロセスで顧 客の潜在的要求に応える基本着想の創造手法を提案し、その有効性を検証した。 提案する創造手法は開発する対象と概念的に対極のものを発想し、対極のものとその特 性を手がかりに新たな着眼点を得て、顧客の潜在的要求に応える基本着想を創造するもの である。リサイクル工場の環境改善技術の開発に本創造手法を活用し、顧客の潜在的要求 に応える基本着想を得て、顧客の期待を超えるコンセプトの工場を構築することができた。

本論文は、自動車部品を対象とし、納入先との共同開発を行い厳しい目標製造コストを達成していく開発設計段階のVE(以降では開発VEと呼ぶ)の効果的な進め方を提案し、その有効性を明らかにするものである。すなわち、従来の自動車部品メーカーで多用されている開発VEの進め方の問題点を明確にし、この問題点を解決する方法を考案して、これを開発VEのジョブプランのステップの中に取り入れVE活動を効率化したものである。具体的には重要な基本機能を果たすためのおおまかな方式・構造案を決定した上で、それ以降の機能の定義・整理・評価やアイデア発想をしていくという新しいステップを取り入れた開発VEを進めるものであり、その結果、従来の開発VEより短時間で効果的な成果が得られることを示したものである。