切削工具

1.目的・背景・概要
機械加工において加工性を追求したり、特殊な材料を加工するには付加価値の高い高価な工具になってしまう。そこで、付加価値の高い機能を有しつつ、かつ安価な工具が検討された。この解のヒントは自然界にあった。

2.着眼点、改善ポイント
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(1)着眼点
・バラのトゲは先端だけ硬い。
(2)改善のポイント
・工具は”金属を削る”ことと”刃物の位置を決める”機能がある。
・先端だけ硬い交換可能な工具の開発。
・ダウンサイジングしてとことん刃物の機能を使いこなす。

3.改善事例
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改善効果
(1)切削工具費の削減
(2)ランニングコストの削減
(3)在庫管理の向上

4.VEとの関連(5原則)
(1)使用者優先の原則
・刃物の交換が容易になった。
・チップのみの在庫ですみ、保管場所が容易になった。
(2)機能本位の原則
・切れ味の良い工具になった。
(3)創造による変更の原則
・アイデアを自然界の植物から求めた。
・切削工具を切削と刃物の位置を決めるために分解し、それぞれの機能を追求した。
(4)チームデザインの原則
・生産技術者、工具専門家、製造、調達部門などの専門家の考えが必要。
(5)価値向上の原則
1)基本機能を向上し、2)品物の原価を下げ、3)ランニングコストを下げ、4)保守費を下げることができた。
[価値V]大幅↑=[機能F]↑/[コストC]↓