歌を歌う (4)   (ゆ)  No.119

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

明日は七夕ですね。下の写真は以前に行った平塚の七夕祭りですが、夏の陽気に加えてすごい人出の熱気で半端なく暑かったのを覚えています。皆様は、今年の七夕で短冊に願いを書くとされたら何にされますか?願いを実際に書き出してみる事って思ったより大事みたいです。

Star Festival 2009.7 photo by y★u

さて、前回のブログでお話しした、歌で革命を起こした国というのは、ご存知の方も多いと思いますがバルト三国です。この三国の長年の願いである「他国による支配からの独立」のために選んだ手段が「歌」だったそうです。このブログ№98「夢を抱く(5) https://www.sjve.org/13534」でも少し触れましたが、当会役員の虫明孝義氏のご著書『ヨーロッパ散策(上下巻)』(2017年10月発行)で、この出来事の詳細を知りました。少し紹介させていただきます。

バルト三国の一つであるエストニアでは、「独立への思いを歌で表現する歌の祭典」を地道に定着させて、1988年9月には、当時約100万人の人口の1/3にあたる30万人以上が「歌の原」に集い、3万人以上のエストニア人歌手が独立の願いを歌に託したそうです。そしてバルト三国が共闘し、1989年8月にはエストニアのタリンからリトアニアのヴィリニュスまで600Kmを民族人口の約半分にあたる200万人が手を結ぶ「人間の鎖」を築いたそうです。地道で平和的な独立運動の結果、1991年8月には独立を勝ち取り、「歌いながらの革命」を成功させたと知って、すごいなあと思いました。

VE同様、「歌」の力も「人」の力も無限なのかもしれません。思うようにならないと武力に訴えようとする国々に見習ってもらいたいものです。「音楽」は世界共通ですし、「歌」は私達の生活に溶け込んでいます。もし、音楽や歌がこの世界になかったとしたら、随分と殺伐とした世の中になる気がします。

我が家の近所に、音楽教育に力を入れている学校があるので、朝晩に大きな楽器ケースを抱えた学生さんとよくすれ違います。夜は何人かで歌を口ずさみながら下校している学生さん達がたまにいて、楽しそうなその姿に平和を感じます。

私は、小学校6年生の時に先生から指名されて、卒業文集の編集委員をした事があります(そういえば高校の時にも卒業アルバムの編集委員でしたので、「編集」には昔から縁があったのかもしれません)。私が考えた文案を、字の上手な同級生が書き出し、絵の上手な同級生が文に合わせてカットを描くという、今思えばミニタスクフォース?のようなチームでした。その文集の中の寄せ書きに、先生が「心に太陽を、唇に歌を」という言葉を書いてくださいました。この言葉の出展は、ドイツの詩人ツェザール・フライシュレンのものだそうですので、この詩をご紹介したいと思います。

『心に太陽を持て』  山本有三/訳

心に太陽を持て。あらしが ふこうと ふぶきが こようと、天には黒くも、地には争いが絶えなかろうと、いつも、心に太陽を持て。
くちびるには歌を持て、軽く、ほがらかに。自分のつとめ、自分のくらしに、よしや苦労が絶えなかろうと、いつも、くちびるに歌を持て。
苦しんでいる人、なやんでいる人には、こう、はげましてやろう。 勇気を失うな。くちびるに歌を持て。心に太陽を持て。

バルト三国の人達は、こういう気持ちを失わなかったからこそ、独立を勝ち取ったのだと思いますが、世界の人々が常にこういう心がけでいれば、平和な世の中も夢ではないと思います。

平和の実現のために「歌で革命を起こす」というのはとても独創的なアイデアだったと思いますが、当会では、「独創的なアイデアを生み出すTRIZをVEで活用する方法」という中級コースのセミナーを8月3日に開催する予定です。 お申し込みの締切りは開催日の7日前になりますので、ご参加のお申し込みをお待ちしております。(https://www.sjve.org/semi/14073)

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

過去のブログはこちら

関連するページ