環境を守る(2)  (ゆ)  No.319

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

前回のブログで、8月6日の広島の平和記念式典のことに触れましたが、8月9日の長崎の平和祈念式典でも、田上富久・長崎市長が、『私たちの市民社会は、戦争の温床にも、平和の礎にもなります。恐怖心をあおり、暴力で解決しようとする「戦争の文化」ではなく、信頼を広め、他者を尊重し、話し合いで解決しようとする「平和の文化」を、市民生活の中にたゆむことなく根づかせていきましょう。高校生平和大使たちの合言葉「微力だけど無力じゃない」を平和を求める私たち一人ひとりの合言葉にしていきましょう』と挨拶されました。

更に前回のブログでは、被爆者の方々のお話を聞いて広島の高校生達が描いたという「原爆の絵」のパネル展のこともご紹介しましたが、先週末に東京交通会館の会場に行ってみました。やはり「百聞は一見に如かず」で、実際に足を運んで自分の目で見てみないと分からないことがあると思いましたし、高校生達の力は微力どころではないと実感しました。

「Pictures of the Atomic Bomb」Exhibition  2022.8 photo by y★u

上の写真がパネル展のご担当者に許可を頂いて撮影した会場ですが、広島市立基町高校の美術部に属する有志生徒達が、約半年から1年をかけて被爆体験や原爆被害の実相を被爆者の方々から何度も聞き取り、資料を集めて油絵を創り込んでいったそうです。ご時世もあり対面での会話が難しくなってしまってからは、ご高齢の被爆者の方々から電話でお話を伺うだけでも大変だったと思います。しかも、話す方はもちろん、聞いたり描いたりする高校生達にとっても辛い内容で、時に心や身体のバランスを崩してしまう生徒さん達もいらしたそうです。

絵のパネルごとに、場面の説明、描いた高校生達の感想、被爆者の方々の言葉が書かれていましたが、生徒さん達からは、やはり自分の経験したことのない場面を聞き取って絵で表現することが難しかったという声が多くありました。そして、被爆者の方々からは、一所懸命に話を聞いて絵を描いてくれた高校生達への『辛い思いをさせてごめんなさいね』という思いやりや、『ありがとう』という感謝の言葉があふれていました。

私は、ちょうど4年前のこのブログ№125「平和を願う(1)」(https://www.sjve.org/15105)で触れたように、原爆資料館を訪れたことがありますが、やはりパネル展と同様に実際に目で見ることが大事だと思いました。上述の長崎の平和祈念式典で、岸田文雄首相は、来年5月に開催予定の先進7か国首脳会議で『G7首脳と共に、平和のモニュメントの前で、平和と国際秩序、そして、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的な価値観を守るために結束していくことを確認したい』と挨拶された後、長崎原爆資料館を訪問されたそうです。1996年に開館した現在の資料館を、現職の首相が訪れるのは初めてだとか。

日本人でも原爆資料館に訪れたことのある人の方が少ないと思いますが、国内外を問わずできるだけ多くの方々に実際にいらしていただければと思います。行くのが難しいという方でも、今はオンラインで情報を得ることができます。パネル展の会場に「オンラインで学ぶ平和講座」というパンフレットがありましたが、こういうものを利用されるのもよろしいかと思います。(https://hiroshimaforpeace.com/online20191205

このパネル展は今回で4回目となるそうですが、企画を実行に移されるのは本当に大変だと思いますので、『平和について深く考察するきっかけとなれば』という思いで開催されたという関係者の方々に敬意を表したいと思います。そして、平和な環境を破壊するのも人間なら、守ることができるのも人間で、「微力だけど無力じゃない」の言葉どおり、小さな力でも集まれば大きな力になることを忘れずに自分のできることを実行していこうと思いました。

当会では9月13日と20日の2回にわたって「実行力を高める調達・購買」講座をオンラインにて開催いたします。調達・購買について「目的-手段」の関係で分かりやすく解説され、実行力を高めていただける講座です。お申し込みの締め切りは9月10日となりますが、この機会に参加されてみてはいかがでしょうか?(https://www.sjve.org/24989

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

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