希望を持つ (1)   (ゆ)  No.55 

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

今日から春のお彼岸ですね。前回までの「神社を参拝する」で私の産土神社を調べてくださった方によると、神社だけではなくお寺にも同様にお参りして、「ご先祖様に感謝する」事が何よりも大事だそうです。お忙しいとは思いますが、可能な限り、お墓参りに行かれる事をお勧めいたします。

東日本大震災から6年が過ぎ、各メディアでは先週から震災当時の事を多く取り上げていました。 日本VE協会は東京都世田谷区の駒沢大学駅からすぐのビルの中にありますが、当日の震度は5弱で、今までに経験した事のない揺れでした。大きな揺れの度に、職員全員が6階から非常階段を使って下まで降り、揺れがおさまれば戻る(ビルの上のアンテナが揺れていて今にも落ちてきそうで怖かったです)という事を何回か繰り返した後、帰宅した方がいいという事になりました。ビルのある前の通りは国道246ですが大渋滞になっており、歩道は歩いて家に帰ろうとする人達であふれていました。

私は事務所から歩いて10分程の所にある実家に帰る事にしたのですが、ちょうど途中にあるマンションで一人暮らししている叔母の事がどうしても心配で、先に立ち寄ってみる事にしました。12階に住む叔母の部屋は、箪笥が倒れるなどして大変な事になっていました。とりあえず大きな家具は元に戻し、散乱していたものを片付け、ガスを復旧させると、「もう大丈夫。これから出かけるから、帰っていい」と言われたので、実家に向いました。実家は2階建ての1軒家だったせいか、食器がほんの少し壊れた程度の被害でした。

翌朝、川崎市にある自宅へ帰ってみると、予想をはるかに超える惨憺たるものでした。 テレビは倒れ、冷蔵庫はドアが開いてピーピーと鳴っており、台所とリビングの食器棚から飛び出した食器は、およそ100個以上が割れて床に散乱していました。何より可哀そうだったのは、主人が飼っていた金魚で、「水槽から水がこぼれたかなあ」くらいに考えていたのですが、水槽ごと倒れて床は水浸し、7、8匹の金魚は全滅していました。どこかで落っこちて壊れたオルゴールが調子はずれの低音の音楽を奏でていて、まるで葬送曲のようでした。地震当日は主人も帰宅できませんでしたが、もし、自宅に一人でいて遭遇していたら間違いなくパニックになっていたと思います。

自宅マンションは形が違う6棟(全部で560世帯ほど)からなっているマンションなのですが、我が家の棟の被害が一番大きかったようで、壁に亀裂も入っていました。さらに、同じ棟でも、階によって(我が家は10階)揺れ方は大分違ったようです。 その後、買いだめのせいでスーパーやコンビニからは食料品や日用雑貨品が消え、節電規制など、不自由な生活を強いられましたが、被災地の方を思えばとても贅沢を言っていられませんでした。

被災地で整然と列を作って並ぶ日本人の礼義正しさは世界の称賛を浴びましたが、津波ですべてが流された後にたった一本残った陸前高田市の「奇跡の一本松」の事を覚えていらっしゃいますでしょうか?

この「奇跡の一本松」を再現すべく、日本の名だたる自動車会社から精鋭が集まり、その持てる優秀な技術力で、松の葉一本一本から手作りし、納得がいかなければ一から作り直したりして、まさにVEでいう所のタスクフォース、チームの力を結集して2年がかりでついに「希望の一本松」を作りあげたという感動的なお話がありました。

Kibou no ippomatu
Kibou no ippomatu

このお話ですが、日本VE協会の2014年の第47回VE全国大会で日本自動車工業会の香川佳之様に、「生きた一本松をつくれ!」と題してご講演いただきました。その要約版をVE誌№286号(https://www.sjve.org/2837)に掲載いたしましたので、ご興味のある方は入手されてご覧になっていただければ、感動を味わっていただける事と思います。 (VE誌バックナンバーのご案内:https://www.sjve.org/2686) 「希望の一本松」は、被災地の方々に文字通り希望を与えてくれた事と思いますし、日本の技術力の素晴らしさは日本、ひいては世界の人にも希望を与えてくれたと思います。

一本松だけでなく、被災された人達からも希望をもらえました。1年前のブログ№5「使命を知る」(https://www.sjve.org/5625)で、私の友人が福島県川内村に創った「考える知ろう館」と、宮城県気仙沼市立橋上中学校の梶原裕太君の「苦境にあって天を恨まず」という挨拶の一部をご紹介しました。この梶原裕太君のような若い人がいてくれれば、日本も希望を持てると思ったのですが、もう一人、こんな子供がいたんだあと感激したお話があります。長くなりますので次回にさせていただきます。

では、よい週末をお過ごしくださいませ。  (ゆ)

 

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