栄養を摂る(7)  (ゆ)  No.227

こんにちは。公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会事務局の(ゆ)です。

今日、10月2日の誕生花の一つは黄花コスモスだそうですが、下の写真は、11年前の今頃に行った昭和記念公園のコスモス畑です。このブログ№221(https://www.sjve.org/19788)や№225(https://www.sjve.org/20197)で掲載した向日葵畑や百日草畑もそうですが、一面に広がる綺麗なお花畑というのは、眺めているだけで心の栄養になるような気がします。

 Cosmos Field 2009.10 photo by y★u

さて、身体に足らない栄養を補うためにサプリメント等に頼る方もおられるとは思いますが、一つの成分ばかりを日常的に摂っていると健康被害も生じてしまうとか。例えば、がんに効くからと一時ブームになったβ‐カロチンですが、過剰摂取すると反対にがんのリスクを高めるという研究結果があるそうですし、肝臓にいいといわれるウコンも摂り続けるとアレルギー性の肝障害を起こす可能性もあるそうです。

また、フィンランドで1975年から15年間、40~45歳の生活環境がほぼ同じ1200人を、「健康管理をしっかりとするグループ(栄養学チェックも行い、飲酒、喫煙、砂糖等の摂取を控えめにして、適度の運動をする)」600人と「健康管理をしないグループ(飲酒や喫煙、食事の内容に制限を設けず自由に生活してもらう)」600人に分けて、5年間の実施後、10年間の観察期間の後に集計したそうです。その結果、心臓血管系の病気、高血圧、がん等の死亡者数、自殺者数のいずれも「しっかりグループ」の方が多かったそうです。
私は何のためにここまで一所懸命に書いてきたのかしら?とも思えるような意外な結果ですが、「フィンランド症候群」と呼ばれ有名になった調査結果だそうです。

作家の五木寛之氏も「健康という病」という著書の中で、『医学的見地からの健康法は多種多様、正反対の意見もある。詰まるところ、何が健康によいかは人それぞれ。少しでも健康であろうとすることがストレスとなり、逆に病となる。数多の健康法に惑わされることなく、自己との対話こそが養生である』と述べておられます。つまり、「健康であること」に気をつけすぎるあまり「健康という病」になってしまうので、自分の心の声が大事ということだと思います。確かに数多の健康情報に振り回されること自体が健康的とは言えないかもしれず、上述の「フィンランド症候群」のように制限してしまう方がよくない場合もあるのかもしれませんね。

今まで「栄養を摂る」ことを始め健康について色々と書いてきた私自身、すべてを実践している訳ではないですし、あまり神経質になってしまうのも確かに健康にはよくない気がします。
ただ、人生100年時代の今、100歳以上の日本の高齢者は8万人を超えたそうですが、漫然と長生きするのではなく健康で過ごせる健康寿命の方を考えれば、自分のアンテナがとらえたことだけでもやっておいた方がいいのではないかと思います。

『食事に気をつけ、体を適度に動かし、肥満を避けるなど、正しい生活習慣を心がけることで、老化を遅らせ、生活習慣病を予防できる』と聖路加国際病院名誉院長でいらした故・日野原重明氏も指摘されていましたが、105歳まで長生きされた方の言葉だけに説得力があります。そして、健康を維持し、生活習慣病を予防するために大切なことは、「適切なエネルギー量を摂取すること」と「栄養のバランスがとれていること」の2点につきるそうです。

更に、『人間は生き方を変えることができる。繰り返す毎日の行動を変えることにより、新しい習慣形成により、新しい習慣の選択を人間は決意できる。人間には選択の自由がある。そして、意志と努力により、新しい自己を形成することができる。』とも述べられています。今もご存命でいらしたら、『新しい生活様式は新しい自分を作るチャンスですよ』と励ましてくださったかもしれませんね。

上述の日野原氏のようなお医者さんや大学の先生や美容研究家の方々のご著書を何冊か読んでみましたが、何人かの方に共通していたのは、栄養を摂るための食事の時に「美味しく頂くこと」が心身の健康のためには何よりも大事ということでした。食欲の秋ですが、食べ過ぎには気をつけながら、食べ物に感謝しつつ楽しく美味しく頂きたいものですね。

では、よい週末をお過ごしくださいませ。 (ゆ)

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