具体化の手順における欠点抽出方法の研究

論文

製品流通のグローバル化が進んでいる昨今、必要な機能を確実に達成していることはも ちろんのこと、ユニークかつ安価な製品を市場へ提供することが求められている。この要 求を満たすためには、機能とコストの関連を追求することで抜本改善となる代替案を導く VE(Value Engineering、以降VEと記す)プロセスは有効である。そこで弊社では、新規 性や技術的難度の高い製品開発テーマに対して、開発設計段階のVEの適用を推進してい る。 新規性の高いテーマや今まで自社で採択したことのない要素技術を用い基本構想案の検 討を行う構想段階のVEにおいては、リスクを含めた技術的な欠点が発生することが多く なる。そこでVEプロセスの「具体化」において、欠点のない代替案を練り上げる手順が 用意されているが、作成された代替案は品質確保のためのコストが増加し、コスト低減活 動を別途実施しなければいけない可能性がある。 本論文では、構想段階のVEプロセスの「具体化」手順において、VEの特徴である機 能とコストの関連追求の思考とQC(Quality Control、以降QCと記す)的思考を融合する ことにより、欠点抽出の段階で高コスト化につながる過剰な品質対策を回避する手順を提 案するとともに、構想段階のVEにおける手順の有効性を検証した。

目次

    1.はじめに

    2.構想段階のVEにおける「具体化」手順の現状課題

    3.過剰な品質対策を回避するための「具体化」の実施手順

    3.1.欠点内容の判定

    3.2.確定した欠点の克服

    3.3.試作計画の立案

    3.4.原理試作評価の実施

    3.5.欠点有無の決定

    4.まとめ

    【参考文献】

     

発行年

2017年 VE研究論文集 Vol.48

著者

アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー
開発本部 開発管理部 プロセス革新グループ
グループマネージャー
渡邉 清彦 VES

カテゴリー

  • VEテクニック

キーワード

  • 構想VE
  • 機能と品質

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