X パーキングエリア建築企画における近未来シナリオ×開発設計VE の試行と考察

論文

X パーキングエリア(以下X_PA)という狭隘かつ老朽化した社会インフラ施設更新に際し、その将来の在り方について、SWOT 分析やマルチスクリーンマトリックスなどの他のビジネス技法で得られた結果を『近未来予測シナリオ』としてまとめた。これを「潜在化した顧客要求事項」として『開発設計VE』のジョブプランにインプットする検討プロセスにより、限られた空間を最大限に活用する建築計画を実施、以て求められる機能と適正なコスト算出に基づく投資計画を導いた。対象はライフサイクルが比較的長い公共建築の更新である。未来のニーズを先取りと同時に、計画案の「検討プロセスの見える化」による円滑な社内合意形成が図られるとともに、投資判断等の意思決定に寄与した。あらゆる財・サービスに対する、効果的な検討手法としての有効性が示唆された。

目次

    1. はじめに
    2. 本技法の概要
    3. 対象テーマの概要と適用の意義
      3.1 首都高速道路株式会社のパーキングエリア(以下PA)の概要
      3.2 本技法適用の意義
    4. ケース事例~「近未来シナリオ×開発設計VE」のプロセス
      4.1 VE 活動準備段階 作業分割構成図の作成
      4.2 VE 活動準備段階 VE 活動を効率的に進める取組み
      4.3 近未来シナリオステップ1 SWOT マトリックス分析
      4.4 近未来シナリオステップ3・4 SWOT マトリックスの洗練化
      4.5 近未来シナリオステップ7 マルチスクリーンマトリックスの作成
      4.6 近未来シナリオステップ8 価値相関関係図の作成
      4.7 近未来シナリオステップ9.10 近未来シナリオ作成、図解化
    5. 開発設計VE の実施
      5.1 開発設計VE ステップ1 使用者要求事項の把握、企画要求事項の確認
      5.2 開発設計VE ステップ2 必要機能の定義 ステップ3 必要機能の整理
      5.3 開発設計VE ステップ4.5 機能別コスト目標の設定、着手順位の決定
      5.4 開発設計VE ステップ6.7 アイデア発想 アイデアの概略評価
      5.5 開発設計VE ステップ8.9 アイデア発想の統合化、洗練化
      5.6 開発設計VE ステップ10 アイデア総合案と開発設計仕様
      5.7 コスト目標
    6. まとめ

発行年

2021年 VE研究論文集 Vol.52

著者

首都高速道路株式会社
事業開発部 事業企画課
技術担当課長 VES
中原 格
首都高速道路株式会社
技術部 施設技術課
課長代理
古谷 潤

カテゴリー

  • 開発設計とVE

キーワード

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