協力工場へのVE普及定着化のための一考察

論文

産業界の発展とともに,近年,特に協力工場の戦力と能力が重要なポイントとして,認識されてきました。

これは親企業としての単一企業でなく,協力工場を含めた企業集団としての総合力が企業の存続発展の「決め手」であるという事が,激烈な企業間競争の体験の中から,切実な問題として感じてきたからです。

このため協力工場の体質改善強化,生産性向上に対する努力が行なわれており,その有効な武器として,QC,IE,VEなどの管理技術が駆使されています。

しかしながら,これらの管理技術の中で,VE活動については,QC,IEの普及定着度との比較において,残念ながら劣っていると認めざるを得ません。

これまでの日本のVE活動の歴史は,親企業が中心であり,VEは親企業がやるもの,あるいは,一部のスペシャリストがやるもの,としての風潮が大勢を占めていたと思います。

このような認識と現状のままでは,親企業と協力工場にとって,今後の企業存続をも左右する,重大な問題です。この論文では,親企業および協力工場にとって,"協力工場のVE活動が何故必要であるか" "VE普及定着化を阻害しているものは何か" "VE普及定着化のための進め方と留意点"について,その考えを述べてみたいと思います。

目次

  • 1. はじめに
  • 2. 協力工場におけるVEの必要性とその背景
  • 3. 協力工場におけるVEの普及定着化を阻害している要因は何か
  • 4. 親企業として果すべき役割は何か
  • ①外注基本方針の確立
  • ②社内VE体制の確立
  • ③総合的長期的な原価低減計画の確立
  • ④VE提案に対する分配を明確化したVE契約の確立
  • 5. 協力工場のVE的人づくり(人材育成)
  • 6. 協力工場の組織的なVE活動の推進
  • 7. おわりに

発行年

1972年 VE研究論文集 Vol.3

著者

萱場工業株式会社
岐阜南工場企画室VAセンター
川田義雄

カテゴリー

  • VE導入と定着化

キーワード

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