VE計画と対象選定の効率化

論文

低経済成長下の企業経営にとって,VEに寄せる期待は大きい。また,多くの企業で,VEは着実に成果を上げてきている。VE適用分野についても,現製品VEから新製品VEへ,さらに,ハードVEからソフト面のVEへと,拡大してきている。

VE手法面の開発,改善についても,業種あるいは企業にマッチした形で進んでいるように見うけられる。

一方,VE投資効率の観点から,VE活動体制はどうか,VE対象の取り上げ方は適切か,という反省もある。

当社では,建設業の特性を生かし,作業所中心のVE活動を長年にわたり,一貫して展開してきた。

現在,設計VE,設備VE,あるいは事務VEと適用範囲は拡大しているが,経営の基盤を作業所におく建設業にとって,今後もVE活動の中軸を作業所におくことはまちがいない。

建設現場の汗と英知を結集して実施されたVE事例は,数多く収集されている。こうしたVE情報は整備され,新しい工事に際して繰返しVEや,改善のヒントに供するよう,組織的な展開をはかっていることは,第11回論文(工事管理におけるVEのシステム的展開)で述べたところである。

近年,VE事例は飛躍的に増大しているが,その最大の要因は,作業所VE活動における「VE計画」の徹底によるものである。

本論文では,作業所におけるVE計画の重要性を述べ,ついで,VE計画をいかに行うか,VE対象の選定をいかにするか,について述べるものである。

目次

  • はじめに
  • 1. VE計画とVEステップ
  • 2. 作業所におけるVE計画上の特徴
  • 3. 新しいVE計画
  • 1 VE計画会議の特徴
  • 2 最近のVE事例の特徴
  • 4. 効果的なVE対象の選定
  • おわりに

発行年

1980年 VE研究論文集 Vol.11

著者

フジタ工業株式会社
工事本部 建築統括部VE課
木村俊太郎

カテゴリー

  • VEテクニック

キーワード

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