逆転発想機能分析による情報システムのリスク管理手法

論文

本格的なIT社会が到来し、スキミング被害やフィッシング詐欺に見られるようなIT絡みのリスクが増大している。このようなリスクは、以前には予想することすらできなかった内容である。このようにIT系のリスクは革新性が高く、過去の検証に基づく対策アプローチだけでは対応できない可能性が高い。

そこで本論文では、未来志向的なリスク管理アプローチとして、「逆転発想機能分析によるリスク管理手法」を提案するものである。具体的には、身の回りの設備や環境等を積極的に活用して、破壊工作者の思考で積極的に新手のリスクを発生させる方法を機能思考で創造し、その後にその結果を反転させることによって未来型リスクの予防に役立てようとする手法である。この手法の意図するところは、過去の発生の有無よりも、未来対応型でリスク対策案を検討するところに大きな特徴がある。したがって、本手法は未発生の新手のリスクに対処できる可能性が高いという点と、「リスク管理はリスクに対する認識力に依存する」という側面から「リスクに対する感受性感覚」を飛躍的に向上させる効果が期待できる。

目次

  • 1. はじめに
  • 2. 企業が直面する多様なリスク
  • 3. 従来のリスク管理手法~KYT(危険予知訓練)/KYK(危険予知活動)
  • 4. 逆転発想機能分析アプローチの特徴
  • 5. 逆転発想機能分析アプローチの実施手順
  • 6. ケース事例~逆転発送機能分析アプローチによるリスク管理
  • 7. まとめ

発行年

2005年 VE研究論文集 Vol.36

著者

学校法人産業能率大学
総合研究所
澤口学

カテゴリー

  • VEテクニック

キーワード

  • IT系リスク
  • リスクに対する感受性感覚
  • 未来志向的なリスク管理
  • 逆転発想機能分析

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