論文キーワード: テアダウン 4件

昨今、働き方改革により業務効率化が必須の課題となっており、VE活動自体においても、VE投資倍率の向上を目指し、活動時間の短縮化、成果の向上が果たせる活動の実現が重要課題となっている。したがって、これまでは量産品や繰り返し生産品など適用数量が多いという理由から、価値向上が果たせるVE対象テーマを選定し活動することが主であった。逆に、主に個別生産品を主体とする製品・サービスについては、一品一様となることが多いためVE活動が停滞気味であり、個別生産品へのVE 活動の導入が急務であった。

そこで本論文では、主に個別生産品を主体とする製品・サービスに多く共通して存在している2次レベルの機能に着目し、その機能を実現するための手段(以降類似サブアセンブリ品)を対象とし、VE活動を効率的に、かつ効果を拡大させる手法を提案するとともに、事例による有効性の検証を報告する。

多くの製品は競争優位性を確保するため、多数のバリエーションを有していることが多い。そのような製品をシリーズ開発する際での設計構想段階にて、多数の バリエーションに対して有効に共通化できる部品モジュールを開発し、それを製品の各目標Q(品質)、C(コスト)、F(機能)、D(納期)を満足させるよ うに、最適なモジュール展開構想を実施することは非常に重要であることは言うまでもないが、今まで具体的な手法がなかった。本論文ではテアダウンの手法を 活用し、モジュール展開構想の見える化、比較分析を行い自社の開発製品に対していい所取りを行う、具体的な手法について提案する。

競合他社品が多い成熟製品の改良開発VEにおいて、機能別コスト目標となる機能評価値の決定は、製品の企画に直結する重要な事項であり、戦略的な意思決定が必要とされる。しかし、製品の置かれた外部環境と内部要因を多面的に分析して適切な機能評価値を決定することは、製品改善VEで使用されているところの、顧客・競合他社・自社の3つの観点を単独で評価する従来の機能の評価法では困難であった。
そこで本論文では、顧客が要求する機能、競合他社品が持つ機能、自社開発品に想定する機能の3つについて、従来の評価法にAHP法、機能にもとづくテアダウン、TRIZワンパラメータメソッドを組み合せて評価し、SWOT分析の視点によってそれらを総合して機能評価値を決定する方法を提案するとともに、事例による有効性の検証結果を報告する。

近年、公共事業や輸送サービス事業、建設業、自動車産業、電機産業など、ありとあらゆる事業、分野でVEが盛んである。特にここ数年における産業別のVEリーダー取得比率は電機産業を含む製造業が50%以上を占めておりVE活動の活性化がうかがえる。

 電機産業を含む製造業でのVE導入時期は、主として比較的実施し易い機構部品をVE対象テーマに選定してVE活動の実践と定着化を進めている。

しかしながら、VE活動がある程度定着化し、拡大、活性化を進めていく上では、製品やシステム全体をVE対象テーマに選定し、特に電子回路へのVE適用は必須である。

 そこで、本論文では、機能に着目したテアダウン手法の電子回路VEへの適用例を示し、有効性を明らかにするものである。